2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

休みの日は小説を 3

丸谷才一さんの小説「今は何時ですか?」の主人公は、浜谷百合子さんという 直木賞を受けた作家。どちらかというと歴史に題材をとった作品を発表しています。 この小説家に講演の依頼にきた記念事業のプロデューサーと恋仲になるのですが、 このプロデューサ…

休みの日は小説を 2

丸谷才一さんの短編小説「今は何時ですか?」は、文藝家協会が編集する 「文学2000」に収録されていますので、発表された時には、それなりに話題となった はずですが、この作品は放置されたままでありました。 丸谷さんはほとんど小説を発表しなくなっていま…

休みの日は小説を

昨日の日曜日は、午後から大荒れの一日となりました。午前中から曇天で、風がでて いたのですが、午後からは瞬間風速20数メートルという強さとなり、傘はきかない状態 となりましたので、外にでようという気分にもなりません。 そういう時は、ねころんで肩の…

建築家の本 5

伊東豊雄さんについての本を、精神的には豊かであるが、金銭的には貧しかった 時代の物語として読んでいます。伊東さんが独立して8年たってから所員となった 女性の思い出です。 「当時、所員は伊東を含めて男4人に女は泉ひとり。秘書役も務め、『はい、 ア…

建築家の本 4

アトリエ系設計事務所に飛び込むというのは、待遇が悪いのは覚悟とのことです。 安藤忠雄さんの事務所でもそうなのでしょうかね。コンペで負け続けるというのは なかなか仕事にありつけないわけでありますからして、労多くして功少なしで、収入 が多いわけは…

建築家の本 3

建築家というのがあれば、土木家というのもあればいいのにです。建築事務所という 言葉からは、建築士が働く設計事務所が思い浮かびますが、土木事務所というと重機 などが敷地にならんでいて道路などを保守するお役所の出張所が思い浮かびます。 独立自営の…

建築家の本 2

建築家 伊東豊雄さんのちくま文庫を手にしていて、建築家に文章を発表する方は 多いのに(もちろん、建築の専門家むけのものではなくて、一般読者むけのもの)、 なぜに土木系の方には少ないのでありましょうと、はてなであります。建築家の書い たものを紹…

建築家の本

建築家を取り上げた本とか、建築家が書いた本というのがあります。 最近は安藤忠雄さんのようなスターがいるせいもあって、情報発信も活発になって います。同じくグランドデザインにかかわる仕事ではありますが、土木関係では、 文章を活発に発表する方があ…

本日の花 3

本日の花として、ぐだぐだと記していますのは、なんのことはない自宅で咲いた 「ユリイカ」の花を見てもらいたいと思ったからかもしれません。 数年前から初心者むけのバラの花を育てて楽しんでいますが、当方はほとんど後方 支援でありまして、下草とりとか…

本日の花 2

中井英夫さんのバラというのは、どこまでいっても現実のバラの話とはなりません。 「薔薇幻視」でありますからして、バラは薔薇でなくてはいけません。 「薔薇幻視」の書き出しは、次のとおりです。 「ここに書こうとする薔薇は実在の薔薇ではない。それはい…

本日の花

花は新種が生まれるごとに名前がつけられるのでありますが、カタログを見てみます と、花の名前には文学にちなんだものなどもけっこうありです。 いま目にしていますのは、京成バラ園のカタログでありますが、これの最初のところに は、今年から販売された「…

本日の歌

朝日新聞の土曜日には別刷りのbeというのがありまして、青のbeではその時代の旬な 人がとりあげれます。先日には山下達郎さんがとりあげられて、話題になっていました。 赤のbeはフロントが「うたの旅人」というタイトルになるのですが、本日の歌は信時潔 作…

最近買った本 3

当方は大阪が親戚ではあるのですが、大阪不案内でして、大阪人にとってはあたり まえのことが、当方にはまるでぴんときていません。 以前には大阪発のドラマがありまして、それは船場あたりのあきんどものであったり しましたが、船場という地域の話であると…

最近買った本 2

谷崎潤一郎全集というのは、何回くらい刊行されたものなのでしょうか。 生存中に刊行されたものは、もちろん全ての作品を収録とはいきませんので、選集 のようになってしまいますが、没後からでたものであっても版型をかえたものとか、 再編集されてでたもの…

最近買った本

先週にお邪魔した大阪天満宮「天神さん古本まつり」では、均一台にありました 豪華普及版「谷崎潤一郎全集」から「細雪」上中下の三冊を購入しました。 もちろん一冊百五円でありました。 その昔は普及版全集というのがあって、それのサイズは新書版でありま…

それにしても 3

本日の朝日新聞は文化欄で「丸谷才一さんを悼む」という文章を掲載していますが、 これの著者は、作家 池澤夏樹さんであります。 丸谷才一さんの追悼記事にあって、朝日新聞はまったくもって毎日新聞の後塵を拝し ていて、なんともはやです。丸谷さんの追悼…

それにしても 2

朝日新聞の14日朝刊1面の丸谷才一さんの訃報記事は、出来がよろしくないなという のが昨日の話であります。丸谷さんとのつきあいがもっと密な時であれば、訃報記事 であっても、もうすこしましなものであろうと思うのですが、これはその時に記事を つくる必…

それにしても

昨晩にネットでニュースをみていましたら、丸谷才一さんがお亡くなったとの記事 が目に飛び込んできて驚きました。ニュースはヤフーのものでしたが、これに配信して いるのは毎日新聞でありましたので、最近の丸谷さんは毎日とのつきあいが深いこと もあって…

今月の新刊 3

今月の新刊で本日購入したのは、次のものです。身ぶりとしての抵抗 ---鶴見俊輔コレクション2 (河出文庫)作者: 鶴見俊輔,黒川創出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/10/05メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る 昨日まで話…

今月の新刊 2

小沢信男さんのちくま文庫版「東京骨灰紀行」には、文庫へのあとがきがありますが、 これは元版への補遺のようにもなっています。 「以上、大江戸、大東京の乱離骨灰史・補足篇でした。」とまとめてありまして、その あとが本来の意味での「あとがき」でしょ…

今月の新刊

当方にとって一番気になる今月の新刊というのは、語るに落ちるでありますが、次の ものとなります。東京骨灰紀行 (ちくま文庫)作者: 小沢信男出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/10/01メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る こ…

大阪が親戚 3

上本町の宿から足をのばして天王寺公園へといってきました。 今から十数年前にここにある美術館で開催されたフェルメール展を見物にきた時 には、歩道にびっしりと青空カラオケ店がならんで、なんとも不思議な空間であり ましたが、何年か前に強制的に排除さ…

大阪が親戚 2

平日のお休みというのは、大阪の親戚たちは仕事があったりするもので、遊んで もらうことができません。そんなわけで、「子どもより本が大事と思いたい」で あります。小さなこどもであれば、そうもいえないのでありますが、成人となって 独立していれば、こ…

大阪が親戚

本日はお休みを利用して大阪であります。当方は大阪が親戚でありますからして、 年に数回は大阪へとやってまいります。当方の出没エリアは、最近は天王寺区と なっておりまして、本日は上本町から歩いて天王寺までいってきました。 今回は、別にはかったわけ…

創業40周年 17

国書刊行会といえば、当方にとっては書店の手の届かない場所にささっていた「巨人」 をだしていた書店となります。77年くらいの16,000円というのは、とんでもない値段で ありまして、いったいどのような方が購入したものでしょうか。その後、この本はもっと …

創業40周年 16

国書刊行会からでた内容見本で驚いた話であります。 それは1977年5月にでたものでジャン・パウル「巨人」の内容見本でありました。 これはこのようなスタイルでした。 先日に書影をかかげた「ラテンアメリカ現代文学」のものと同じような雰囲気であり ますが…

創業40周年 15

谷沢永一さんの「紙つぶて」には、「内容見本の活用」という一章があるのですが、 ここには、「本は買えなくても内容見本で勉強になる」というくだりがあります。 ここ数日にわたって綴っている駄文などは、まさに「本は買っていないのだけど、 小説も読んで…

創業40周年 14

昨日に引用した川村二郎さんは、はてなのキーワード登録がなかったので、この方は 「独文学者にして批評家」という紹介を加えておきましょう。(同姓同名の新聞記者が いらして、書いていることはまったく違うのですが、間違えるとこまりますので。) 先日に…

創業40周年 13

鼓直さんによる「驚異のるつぼ」からの引用を続けます。 「 60年代の初めに文字どおり世界的な<ブーム>を呼んだラテンアメリカ小説の今日 の活力、多彩さは、決して身贔屓でいうのではない、まさに瞠目すべきものがある。 またしてもカルペンティエールだ…

創業40周年 12

国書刊行会からでた「ラテン・アメリカ文学叢書」は、当方はほとんど購入していない のでありますが、それでも翻訳文学の歴史に残る仕事であると思いますね。当時はラテン アメリカ文学の翻訳家もあまりいなかったはずでありますから、こういう企画を形にす…