2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

今年買った本4

今年最後に購入した本は、つぎのものです。海民と日本社会 (新人物文庫 あ 3-1)作者: 網野善彦出版社/メーカー: 新人物往来社発売日: 2009/12/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る この本の帯には、「視点を変えると…

今年買った本3

今年買った本で、林哲夫さん流にいって一番うれしかったものは塔晶夫版の 「虚無への供物」講談社 昭和39年であります。 反推理小説の大傑作でありますが、これの出版日付は「昭和39年2月29日」です。 うるう年にしかない2月29日を出版日とするのは、反…

今年買った本2

本日届きました「ちくま」1月号表紙の表裏は、昨年に引き続きで林哲夫さんが 担当しています。裏面の連載エッセイは「ふるほんのほこり」というタイトルです が、今月は「一記一遊」ということで、「古本ノート」にまつわる話題です。 「 ノートブックに買…

今年買った本

いよいよ今年も残すところ4日となりました。あちこちの新聞、雑誌でやっている 「ことしの収穫」といった特集もでそろったのでありましょう。毎年、この時期に 書いているようですが、今はなくなってしまった「リテレール」の今年のベストという 別冊がでな…

これから読む本6

佐藤正午さんのエッセイ集には、野呂邦暢さんへの関心から手にするようになったと 記しましたが、光文社文庫のどの一冊を見ても、野呂ファンが喜ぶ文章が収録されて います。 「ありのすさび」には、94年朝日新聞に掲載した文章があります。 「 野呂邦暢の…

これから読む本5

小説家 佐藤正午さんのことを取り上げるのに、小説のことはほとんど話題にせず、 光文社文庫のエッセイ集に終始するのは、いかがなものかであります。 そういえば、本日の朝にNHKBS ブックレビューをみておりましたら、この番組の キャスターのお一人である…

これから読む本4

当方と佐藤正午さんの世界を結ぶ光文社文庫のエッセイ集の元版が岩波書店と いうのは予想外でありました。佐藤正午さんの小説は、ほかの版元からもでて いるのですが、エッセイ集に関しては岩波書店編集者 坂本政謙の独壇場であり まして、このような編集者…

これから読む本3

佐藤正午さんのエッセイ集については、光文社文庫のなかにうまく場所を見出し たという感じでありまして、元の形を知らない当方は、これはオリジナル文庫だと 聞かされてもそうなのか信じてしまうくらいなのでした。 もちろん、これに先だつ単行本があるので…

これから読む本2

佐藤正午さんの小説は、ほとんどまったく読んだことがないのですが、気に なる作家であることには、違いありません。当方は、光文社文庫にはいっている エッセイ集を買い求めて、これから読む本のところに積んでおります。 当方が、この方のエッセイに注目を…

これから読む本

当方の場合は、買った本のほとんどは未読であるわけですから、「これから読む本」 というに、何回か生まれ変わっても読むものに困ることはなさそうです。 積読本の大半は、ブックオフで百五円で入手したものですが、これは読むことはない かもしれないが、と…

宮内嘉久追悼7

古い新聞を整理していましたら、05年10月24日に掲載された加藤周一さんの 「夕陽妄語」がでてきました。このときのタイトルは「廃墟から」というものであり まして、宮内嘉久さんを取り上げていました。 宮内さんの「建築ジャーナリズム無頼」が中公文…

宮内嘉久追悼6

宮内嘉久さんは、建築雑誌等の編集を専門としているのですが、そのためには個人で 編集事務所を組織して活動を行っていました。この事務所では、美術出版社がだすこと になった「国際建築」と「建築年鑑」の編集を請け負っていたとあります。 こうした編集事…

宮内嘉久追悼5

宮内さんには、「少数派建築論」(「井上書院」74年刊)という著書があります。 当方が、この本を手にしたのは、「廃墟から」を読んだ後でありましたが、「少数派 建築論」のほうが、先にでているのであります。 「廃墟」と「少数派」というのは、宮内さん…

宮内嘉久追悼4

60年代後半の反乱の時代に、学生の主張に同調した大学教員は、造反教官とか呼ばれ たものでありました。自己否定を通していくと、教師であることを辞めることしか道が ないという難儀なものです。 宮内さんは大学教師ではありませんでしたが、学生の提起をま…

宮内嘉久追悼3

ミニコミ<廃墟から>は、何度か中断をしながら継続していたようですが、単行本に 収録されているものをみますと、22号から23号までは、10ヶ月もかかっています。 (いつもであれば3ヶ月に一回くらいでているのですが。) この23号では、「再出発」というタ…

宮内嘉久追悼2

ミニコミというのは、最近はどうなっているのでしょうか。当方が思い浮かべる ミニコミというのは、自分で原稿を書いて、制作して発送までも自分でやってしまう ようなものでありまして、当然、部数も多くて5百部というところでしょうか。 宮内さんが「廃墟…

宮内嘉久追悼

本日の新聞夕刊を見ましたら、建築評論家 宮内嘉久さんの訃報がのっており ました。13日に脳梗塞で亡くなっていたとありまして、故人の遺志で葬儀は 行わないというのは、これまでのスタンスからわかるような気がします。 著書に「建築ジャーナリズム無頼」…

京都カフェ散歩3

当方が京都に住んでいたころには、カフェなんてしゃらくさいいい方は しなかったですね。40年も前のことでありますから、喫茶店またはさてんと いうのが一般的ないい方であったでしょう。いまでもそれはかわらないか。 最近のお若い方は、カフェしないなん…

京都カフェ散歩2

祥伝社黄金文庫「京都カフェ散歩」のことを紹介しようと思っているのですが、 「はてな」の商品紹介がトラブルにあっているようで、アマゾンへの書影リンクを はることができません。これは残念ですが、そのうちに復旧するのでありましょう。 この文庫は、ま…

京都カフェ散歩

本日に本やへといきまして「京都カフェ散歩」という文庫を購入しました。 ( 川口葉子著 祥伝社黄金文庫 800円 平成21年10月刊 )京都カフェ散歩―喫茶都市をめぐる (祥伝社黄金文庫 か 17-1)作者: 川口葉子出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2009/10/13メデ…

本をつくる人6

まだ「明るさの神秘」であります。昨日に記しましたように、この「明るさの神秘」 の印刷は、小平林檎園版、みすず書房版の、両方が「精興社」であります。 仮に売れ行きが好調でも小平林檎園では増刷をすることができなかったでありましょう から、小平版か…

本をつくる人5

「明るさの神秘」のみすず書房版は、内容は小平林檎園版をそっくりそのまま覆刻 しているのですが、みすず書房版でしか読むことができないのは、宇佐見英治さんが 寄せた「覆刻追記」であります。これは当然のことでありますが、小平林檎園版を 作って、それ…

本をつくる人4

「明るさの神秘」元版には栞がついているのですが、これはみすず書房版では巻末 付録となっています。それによって元版の栞に寄せた「小平林檎園」主人 小平範男 さんの文章は、今でもみすず書房版で読むことができます。 題して「小平林檎園だより」であり…

本をつくる人3

昨日に「明るさの神秘」宇佐見英治さんの文章を引用してた時に、小平林檎園の 主人のお名前を、遠慮して姓のみ記して、名を略したのであります。その作業を 終えてから、小平林檎園のご主人について検索をかけておりましたら、ご主人の 小平範男さんは04年…

本をつくる人2

写真は「明るさの神秘」であります。 右は一般書としてでたみすず書房版(97年9月刊)で、左のものがこれの元版に あたる「小平林檎園」版(96年9月刊)となります。林檎園のご主人が「宇佐見 英治」さんの本を出すにいたった経緯は、宇佐見さんのあとがき…

本をつくる人

林檎というのは、歌い手さんの名前にもなっていますが、ほかの果物にはないものを 感じます。そういえば、戦後最初のヒット曲のひとつは「りんごの歌」でした。 これは「アダムとイブ」の話しに林檎が登場して特別な果物となっていることと関係 があるのでし…

加藤周一著作集 5

本日は、加藤周一さんの祥月命日でありますがクリスチャンとなられた加藤さん には祥月命日なんていい方は通用しないのですね。 この一周忌を機会に加藤さんの「ある晴れた日に」を読まなくてはと、最近に 文庫化された本を手にしています。この作品はこれま…

加藤周一著作集 4

加藤周一さんが亡くなって一年となりますが、ここのところ加藤さんに関する 新聞記事を良く見ることでです。当方は、古い著作集を引っ張り出してきて、 古い文章を読んでいます。本日に手にしているのは「著作集6巻 近代日本の 文学的伝統」であります。こ…

加藤周一著作集 3

加藤周一著作集(平凡社刊)で未刊となっている18巻について話題にして おりましたら、この巻に掲載を予定していた文章の「まえ書き5枚」が自宅 で発見されたというニュース記事に行き当たりました。今年の9月の朝日新聞に のったものということですが、…

加藤周一著作集 2

平凡社刊行の加藤周一著作集は、第18巻のみが未刊となっています。これを完結 させなくていいのかと思うのですが、加藤周一さんには、それ以上に重要なことが あったのでしょう。加藤周一著作集 (22)夕陽妄語?作者: 加藤周一出版社/メーカー: 平凡社発売日…