2011-01-01から1年間の記事一覧

本日は大晦日

「今年のことなど」というタイトルで記していましたが、もうすこし話題がつながり そうであるにもかかわらず、あとすこしで今年が終わります。 編集者 伊藤英治さんに導かれて阪田寛夫さんの足跡をたどるのは、年をこえて続き そうであります。 大晦日といえ…

今年のことなど 8

阪田寛夫短編集と副題がついた「うるわしき あさも」(講談社文芸文庫)の年譜と 著作目録は、伊藤英治さんの手によるものです。 ちなみに解説は、文芸批評家 高橋英夫さんであります。うるわしきあさも 阪田寛夫短篇集 (講談社文芸文庫)作者: 阪田寛夫出版…

今年のことなど 7

今年のことなどと記し始めたときには、まさかこれが黒子の編集者 伊藤英治さん の話題になるとは思ってもいませんでした。これだから面白いというか、積ん読は やめられないであります。 昨日に紹介したハルキ文庫は、編・解説が伊藤英治さんですが、エッセ…

今年のことなど 6

児童文学の編集者 伊藤英治さんといえば、まずは「まど・みちお全詩集」(理論社) でありますが、当方はこの本は持っておりませんです。入手容易な「まど・みちお詩集」 (ハルキ文庫 98年4月刊)を持っているのみですが、これと伊藤英治さんの関わりはと …

今年のことなど 5

阪田寛夫全詩集のことを話題とするつもりでいたのですが、その編集者である伊藤英治 さんのことに話がいっています。 出版社で編集者としてスタートして、そこを退職してから編集プロダクションを作った り、参加するというのは、ままある話です。河出書房を…

今年のことなど 4

図ったわけではないのですが、昨年のこの時期にも「理論社」のことを話題として おりました。昨年は、理論社の破綻を話題にして、今江祥智さんの著作からかっての 理論社の活動について紹介をしたものです。 http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20101226 今江さ…

今年のことなど 3

今年に購入した本で、一番高価なものは、次のものです。阪田寛夫全詩集作者: 阪田寛夫,伊藤英治出版社/メーカー: 理論社発売日: 2011/05/01メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (1件) を見る 阪田寛夫さんは、ひいきでありますので、年に数…

今年のことなど 2

今年は本を読めていなくて、買えていないことです。読むと買うというのは、 当方にとって「にわとりとたまご」のようなことでありまして、買うから読めていると ところがあります。図書館から借りるという選択肢があるではないかといわれますが、 どういうわ…

今年のことなど

いつもは、マイナーな作家などを話題にしているのですが、昨日にはテレビドラマ の話題で、主人公を演じたジャニーズ系のタレントさんの名前を記しましたら、 いつもよりずっとたずねてくれる方が多かったようです。恐るべし、ジャニーズ系で あります。それ…

淋しいのはお前だけじゃ 3

市川森一さんの「淋しいのはお前だけじゃない」は、、やはり画期的なドラマで あったなと思うのですが、そういえば、あの作品へのオマージュのようなドラマが あったのでした。それは宮藤官九郎作の「タイガーアンドドラゴン」ですが、この 作品の主演こそTO…

淋しいのはお前だけじゃ 2

市川森一さんのドラマ「淋しいのはお前だけじゃない」は、評判がよろしくて、それ こそ各賞総なめという成績でありました。第一回「向田邦子賞」というのも受けて、 この時代の代表的な作品となったのでした。 というのは、比較的玄人筋での評価でありまして…

淋しいのはお前だけじゃ

中村とうようさんのことを思っていたら、市川森一さんの訃報が飛び込んできました。 宮崎あおいが主演の最新作のドラマ「蝶々さん」が、二週間にわたって放映されたばかり でありました。その番組の記者発表の時の写真を見ましたら、これからまもなく亡くな…

中村とうようさん追悼 17

中村とうようさんのことを思い出すというと、60年代の前半から70年代の半ば頃まで に当方がなじんでいた音楽シーンのことに思いがいたります。 最近手にした「en-taxi」48号は、特集が「1970年代は何だったのか」でありまし た。坪内祐三さんが、特集の冒頭…

中村とうようさん追悼 16

最近は、すっかり縁遠くなっていた中村とうようさんの名前を眼にしたのは、思い がけない文脈でのことでした。 今年の2月に拙ブログで話題としていた坂根厳夫さんの「メディア・アート創世記」に おいてでありました。 「 中学校は日本海に面した京都府宮津…

中村とうようさん追悼 15

当方にとっての「中村とうようを思い起こさせる一枚」であるニルソンの 「ハリー・ニルソンの肖像」で検索をしてみましたら、レコードのライナーノートは、 中村とうようさんによるものとありました。本日は、このレコードを引っ張りだして きて読んでみよう…

中村とうようさん追悼 14

とうようさんは、自分のことを「何でも夢中になるタチなので」といっていますが、 当方は、むしろ意識して距離をおくことで、「夢中にならない」というのを心がけた かもしれません。当時の高校生から大学生は、とりあえず太宰の作品にはまるという のが一般…

中村とうようさん追悼 13

昨日に掲載した新聞記事を見たのは、高校三年生でありました。けっこう生意気で ありましたので、中村とうようさんの骨っぽい文章が、好みでありました。 新聞にあります「来春は『スモール・マガジン』を自費で出版し、若い層がどんな歌を 望んでいるのか探…

中村とうようさん追悼 12

「フォークからロックへ」は、新書サイズで主婦と生活社「Rock Music Library」 の一冊です。この単行本は、71年刊行ですから、この時はすでに 「ニュー・ミュージック・マガジン」を立ち上げていました。「フォークからロックへ」 の自分史にあたるところに…

中村とうようさん追悼 11

日本の音楽ファンの(そしてミュージシャンの)ボブ・ディラン体験は、中村とうよう というフィルターを通してであるというのが、当方の考え方です。当方よりも年長の フォーク・シンガーで小室等さんなどは、ほぼ同時でディラン体験をしているのでは ないか…

中村とうようさん追悼 10

「フォーク・ソングをあなたに」から5年後、主婦の友社から「フォークからロックへ」 という文庫サイズの単行本がでて、そこに「フォーク・ロックへの道」が収録されてい ます。 この「フォークからロックへ」にあります自分史のところに、とうようさんは、…

中村とうようさん追悼 9

「フォーク・ソングをあなたに」に収録の中村とうようさんの「フォーク・ロックへの 道」を話題としています。 昨日には、スイングアウト誌の65年ニューポート・フォーク・フェスティバルの レポートを引用しましたが、ボブ・ディランがエレキギターを手にし…

中村とうようさん追悼 8

つまるところ「ボブ・ディランの変身」体験というのは、多くの日本人にとっては、 中村とうようさんが受けたショック体験の伝播であったと思うわけです。 今となっては、ディランがエレキギターをもってステージにあがるというのに、なんの 違和感もないので…

中村とうようさん追悼 7

「フォーク・ソングをあなたに」には、「フォーク・ソング名曲30選」という欄が ありますが、ディランの歌は、これに何曲はいっているのでしょう。 ・ 風に吹かれて ・ くよくよするな ・ ミスター・タンブリン・マンの三曲で あります。当方は、これらを、…

中村とうようさん追悼 6

とうようさんが「1965年アメリカ・フォーク界での最大事件はボブ・ディランの ”変身”であろう。」と書いているのを読んだ時、当方は、ディランの音楽を聴いた ことがあったのだろうかです。田舎の中学生である小生が、ディランの曲を聴いていた としても、バ…

中村とうようさん追悼 5

中村とうようさんが「中南米音楽研究会」京都支部にはいったとありましたが、昔は 音楽を深く聴くとなると、このような研究会にでもはいらなくては、出来なかったので ありますね。当方の世代になっても、レコードは値段が高くて、簡単には買うことが できま…

中村とうようさん追悼 4

このブログを記するにあたっての引っ張り出してきているのは、とうようさんによる 初期の著作であります。先日に「フォークソングをあなたに」の表紙を掲げましたが、 それとともに、横に置いているのは、次のものです。 フォークからロックへ (1971年) (ロ…

中村とうようさん追悼 3

中村とうようさんの、当方の世代への影響力の大きさはたいへんなものだと思うの であります。 とうようさんが創刊した「ミュージック・マガジン」では追悼特集を行っていて、 久しぶりに9月号、10月号の「ミュージック・マガジン」を購入しました。 買っただ…

中村とうようさん追悼 2

USAのヒット曲を追いかけていた中学生が、なぜに中村とうよう主義者となったかと いうのが、謎でありますね。当時は、日本の歌謡曲でありましたら、御三家といわ れる人たちが全盛期でありましたので、「平凡」「明星」というのがアイドル雑誌で、 それの洋…

中村とうようさん追悼

今年に亡くなった人で、当方が影響を受けた人は多くいるように思うのですが、その 一番手といえば、中村とうようさんでありましょう。 今から50年近くも前に中学生であった当方は、主としてUSAの流行歌を聴いておりました。 情報源はラジオでありまして、住…

本日から師走 2

昨日から引き続いて岩波「図書」12月号に掲載 細見和之さんの「私の留学体験記」 を話題とします。細見さんは学者さんですが、海外留学の経験はないとあります。 「 最初に記したとおり、生涯、私は海外での長期滞在や留学体験はもたないままで 終わりそうだ…