すこし煮詰まりかな

 このところすこし野暮用が忙しいせいもありまして、ちょっと余裕のない生活であり

ます。明日は金曜日で、その次からは週末になりますので、あれこれと平日にできない

ことをしましょうかと思っているのですが、先行き不透明であります。

 札幌でやっている「ブリューゲル展」は、9月24日で終了となりです。学生であった

70年代前半に京都でブリューゲル展がありまして、それを見物にいったことがあり

ました。たしか、いまもどこかにこの時の入場券が残っているはずでありますが、これ

が印象に残っていたのですね。

 仕事についてから、まもなく岩波書店が「ブリューゲル全版画」というセットものを

刊行したときに、あとさき考えずに大枚はたいて購入しました。たぶん、一ヶ月の給料

の半分以上をつっこんだはずであります。いまも大切にして、二階の納戸にしまって

あります。

 今ほど「日本の古本屋」で検索をかけてみましたら、値段はがっかりするくらいに

安いのでありますが、自分への就職記念の一つであることは間違いなしです。 

ブリューゲル全版画 (1974年)

ブリューゲル全版画 (1974年)

 

  もったいないからと、あまり取り出して見ることもなしなのですが、あの全版画は

額装して楽しめるようになっていますので、これを機会に額を用意して鑑賞するように

しなくては。

 それはそうと、ブリューゲル展には期日までに足を運ぶことができるだろうか。

この週末からは文学館で「吉田一穂展」も始まるとのことで、この2つを午前、午後でま

わることができましたら、相当に優雅な一日となりそうですが。

www.h-bungaku.or.jp

あなたの好きな

 本日の新聞夕刊を見ましたら講談社でやっていた「あなたの好きな大江健三

郎作品」の結果が掲載されていました。講談社のサイトで投票をするというも

のですが、432人の人が投票したとありました。その結果についてのくわしく

講談社の特別サイトにありました。

 

 ちなみに気になる(?)ベスト10は以下のとおりだそうです。

news.kodansha.co.jp

1位(50票) 万延元年のフットボール
2位(27票) 個人的な体験
2位(27票) 芽むしり仔撃ち
4位(26票) 新しい人よ眼ざめよ
5位(25票) 飼育
6位(19票) 懐かしい年への手紙
7位(18票) 同時代ゲーム
8位(17票) 洪水はわが魂に及び
9位(16票) 奇妙な仕事
10位(15票) セヴンティーン

 432人の投票というのが多いのか少ないのかであります。どちらにしてもこの

数字とリストからうかがえるのは、大江さんのファンは、あまりネットにはでて

こなくて、年齢が高そうだなということですね。

 このベスト10をみたら、ほとんど当方にもなじみの作品ばかりでありまして、

ほとんど同時代に読んだものばかりです。

 当方が一押しするとしたら、なんでしょう。やはり「個人的な体験」かな。

なにがやはりなのかは説明のしようがないのですが、なんとなく「やはり」と

記してしまうのでした。

 

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

 

 

 

すこしは慣れてきたか

 はてなブログに引っ越して、そろそろ二週間となります。ダイアリーと比べた

時に、どのような機能が追加され、売りとなっているのか確かめているところで

あります。当方はもとからこれを利用して商売につなげようという考えはないの

ですが、これまでよりもページビューが少ないこともあって、ページビューを

増やすために何か方法はあるのかなと思ったりです。

 もともとそんなに多くはない同好の士とつながれればいいのでありまして、

ほそぼそとやってればいいのに、何をばたばたしているのかです。

とはいいながら、Twitterとのリンクなどをはじめました。以前からTwitter

アカウントは取得していたのですが、とりあえずブログとリンクさせることを

試行中であります。

 児山紀芳さんというと、いまでもNHKFMで番組をもっているジャズ評論家、もち

ろん「SwingJournal」という雑誌の編集長を長らくやっておられました。ジャズの

愛好家には理屈っぽい人もいて、そういった人たちは「SwingJournal」なんてと

いってばかにしていたかと思いますが、jazzの大衆化のために大いに貢献でありま

した。植草甚一久保田二郎も、この雑誌からだものな。

 

ジャズのことばかり考えてきた

ジャズのことばかり考えてきた

 

 

お天気よろし

 このところ秋晴れの良いお天気が続きます。先日の地震から引き続きで

余震が起こっていて、今朝も震度3くらいの揺れがあって、そのためか

行楽に出かけようという気分にならないことです。

 本日は「敬老の日」でありますからして、その主旨にそった生活をしなく

てはいけませんですね。

 昨日に話題とした西江雅之さんの岩波「図書」2010年のものを探してみよ

うということで、物置にいれてあるダンボール箱をいくつかチェックしたの

でありますが、本日の捜索では発見することができませんでした。物置の

どこかにあるのか、それとも別の部屋におかれてある箱に入っているのか

な。とにかく、「図書」も「ちくま」も捨てていないのですから、丁寧に

時間をかけて探せば、どこかにあるのですね。まあ、そのうち見つけること

ができるはず。

 このところ読書はページを稼げていませんです。読んで楽しくて、お勉強

になるというのが一番であります。そんなことを思いながら、新書版「谷崎

潤一郎全集」を手にしていましたら、これなら読めそうというものがあって、

それを読んでみることにしました。

昭和17年文藝春秋に連載されたという「きのうけふ」という作品です。

この作品の最初のところにおかれていて、眼をひいたくだり。

「氏は私を見るや次の間からようと底力のある声をかけて這入って来られた

が、三四年前と、ちっとも変つてをられない、どころか、却って少し若くな

られたくらゐに見えたのに、私は軽い驚きを感じた。氏は私より十歳とは

年長でないが、それにしえも何年か前に還暦を済まされた六十何歳翁である。」

 この時の谷崎は56歳くらいでしょうか。氏とあるのは、永井荷風でありまし

た。荷風は7歳くらい年長ですから、63歳でしょうか。

 この時代にあっては、還暦を過ぎたら年寄りということになるのですね。

そういえば、老人福祉法というのができた1963(昭和38)年頃でも、老人と

いうのは60歳を超えた人のことという認識でしたね。

 いまじゃ老人といえば、後期高齢者にならなくては資格がないようなこと

になっていまして、63歳翁なんていうと、馬鹿にしてるのかといわれそうで

ありますね。

写真集二冊 2

 写真集二冊といいながら、もう一冊のことについて、まったく触れていません

ですね。ほんじつも昨日に引き続きで林忠彦さんの写真集についてからであり

ます。

 戦後まもなくから昭和三十年代前半くらいの日本のあちこちで撮影した写真

を見るのですが、そこには子どものころの当方が写り込んでいるような懐かしさ

がありです。

 雪国の子どもたちは、1957(昭和32)年頃の撮影とあります。どちらの町

での写真かは記されていないのですが、雪深いスキー場のある町のものです。当方

は、このころ小学校一年生ですから、長靴でスキーをはいて、ストックをついて写

りこんでいる男の子が当方の役どころでありましょうか。当方のほうが、この子ど

もよりももうすこし洒落た格好をしていたと思いたいのですが、ほとんど変わりは

ないか。

 林さんの有名な文士シリーズについては、文庫化もされていますので、他のも

のよりも手にするのは容易であるかもしれません。

文士の時代 (中公文庫)

 もう一冊図書館より借りてきた写真集は、西江雅之「顔」というものです。

顔! パプアニューギニアの祭り

 こういう本がでているのは、まったく知りませんでした。「図書館」で目にしな

ければ、ずっと縁がなかったかもしれません。まさか西江雅之さんの新刊がでると

は思ってもみませんでした。

 西江さんが撮影したパプアニューギニアの祭りでの人々の顔写真。インパク

十分であります。我が国にもお祭りの時に、顔を白塗りにしたりすることがありま

すが、これは化粧することによってオブジェのようになっています。

 この本に掲載の西江さんの文章は3ページほどの小文のみで、文章を読みたい

という人には物足りないのですが、これの参考文献リストに西江さんが岩波「図書」

(2010年 何月号かは不明)に掲載した「トロブリアンド島を訪ねる」があがっ

ていました。たぶん、2010年に目を通しているはずですが、すっかり忘れていま

すので、この文章を探してみることにします。

写真集二冊

 先日の図書館では写真集を二冊借りることになりました。大判のものではなくて、

コンパクトなものですから、写真集としてはちょっと残念なサイズですが。

一冊は昨日に話題とした林忠彦さんの「時代を語る」でありますが、これは写真家

林忠彦さんの仕事を、時代と分野を通じて見通せるようにしてあります。

目次によりますと、次のようになります。

 1 戦中のドキュメント

 2 戦後日本の歩み

 3 AMERICA 1955

    4  文士の時代

 5 時代の象徴

 6 物語る風景

 林さんがお亡くなりになったのは1990年とのことですから、もちろん写真は銀

塩アナログであります。収録されている写真は晩年のものを除くとすべて白黒となり

ます。写真の白黒って、旧字旧かなの小説を読む趣がありますね。なんかそれだけで

雰囲気が伝わってきます。

 初期の作品はドキュメントでありますが、戦時下のもので、戦争を知らない世代に

も大日本国防婦人会とか大政翼賛会推進員の活動がリアルに実感することができま

す。この中にある写真など現代の東アジアのどこかの国のマスゲームにそっくりだな

と思って、かの国はいまも戦時下を生きているのだなと思いあたります。

 このようなドキュメント写真は、やはりアマチュア写真家には無理でありますね。

なによりも、戦時下の時代に普通の家庭には写真機はありませんでしたし、フィルム

は高価で、家族の成長記録を残すのが精一杯でしたからね。

 当方は、町に残る戦前の写真にどんなものがあるだろうかと思ったことがあります

が、町並みとか風景だけを記録として写しているものは、なかなかないのですね。

 当方なんて、最近まで老母にそんなにばちばちとたくさん写真を移したらフィルム

がもったいないといわれたもので、まして今から80年近くも昔のことです。

時代を語る 林忠彦の仕事

図書館へ

 借りていた本を返しにいって、新着の棚から本を借りてきました。

こんな本がでていたのかという写真集であります。一冊目は次のものです。

時代を語る 林忠彦の仕事

 新潮社から林忠彦さんの写真が限定セットで販売されると話題にしましたが、この

ようなものもでていました。今年が林忠彦さんの生誕100年ということもあって、

出版が活発になっているようです。

 この本は周南市美術博物館 林忠彦記念室の図録を兼ねているのでしょうか。

もちろん周南市にこのような記念室があることも知りませんでした。この本の巻末に

はこの施設の紹介がありました。

周南市美術博物館は、美術、写真、歴史部門をあわせもつ人文系総合博物館として

1995年9月に開館した。周南市出身の林忠彦のほか。画家 宮崎進、詩人まど・

みちおの作品、徳山毛利家の資料など郷土の歴史資料あわせて約11,000点を収

蔵する。林忠彦記念室の設立は、1990年に林が亡くなったのを機に、当時の徳山

市が戦後写真界を牽引した林の業績を後世に残すため、全作品の収集を表明したこと

に始まる。主要なテーマを網羅して1,500点以上のオリジナルプリントを収蔵。

作品展示とともに愛用品を公開し、代表作『太宰治』を撮影した東京・銀座のバー

『ルパン』のカウンターを再現したコーナーで撮影できる。」

 周南市というのは、かっての徳山市を含むところでありますが、徳山でありますか

らしてまど・みちおさんも顕彰しているのですね。まどさんを目当てにくるひとと、

林忠彦さんを目当てのひと、どちらが多いでありましょう。

 それにしても記念室内部に「ルパン」のカウンターを模したものがあるとは、そこ

を尋ねた太宰ファンは、間違いなしで太宰と同じようなポーズで写真をとるのでしょ

うが、撮影したのを見たら、まるで間抜けにしか写らなくてがっくりとすること必至

です。