本日はお寺に

 お彼岸の中日ということで、お供えをもってお寺へといってきました。

 お寺めぐりのあとは、久しぶりで行きつけの本屋へといって文庫新刊等をチェック

であります。新聞広告で、文庫新刊はひととおり目にしているのですが、やはり実際に

店頭で目にしたいものであります。

 最近の文庫は、過去にでていたものが装いを新たにしてでるというのがよくある

のですが、そうしたものは基本的に買わないようにするものの、増補されていたり、

気になる解説がついていないか確認するのでありました。

 本日に手にした文庫(どれも買わなかったのですが)は、次のもの。

漂流怪人・きだみのる (小学館文庫)

漂流怪人・きだみのる (小学館文庫)

 

   元版がでたときに話題となったのですが、当方は昨年かに格安で購入して、

楽しく読んだことは、拙ブログで報告です。今回の文庫化に際して、これの書評が

3本ついていました。

底ぬけビンボー暮らし (講談社文芸文庫)

底ぬけビンボー暮らし (講談社文芸文庫)

 

  松下竜一さんのものが講談社文芸文庫からというのは、ちょっと違和感あり

です。以前でありましたら、ちくま文庫ですね。正直いって松下さんのものは、ネット

では格安本が流通していると思われますので、文芸文庫から新刊で出すという

のは、講談社著作権者に印税を支払うことが目的とも思われます。本当に

講談社はすごいや。

実歴阿房列車先生 (中公文庫)

実歴阿房列車先生 (中公文庫)

 

 これは買うかどうか、すこし迷った一冊。たぶんそのうち購入するのでありましょう。

ヒマラヤ山系君による百鬼園先生随行記。その昔の旺文社文庫にあったものですが、   

この時は、買っていないはず。旺文社文庫版の百鬼園先生ものはおさえていたので

すが、その時はヒマラヤ山系君まで手がまわりませんでした。

 そういえば、先日に入手した田村義也展の図録「背文字が呼んでいる」を開いて

みましたら、旺文社文庫版「実録阿房列車」の書影が掲載されていました。

田村さんの装丁は、百鬼園先生の旺文社文庫阿房列車」と見事にシンクロするので

ありますが、残念ながら中公文庫に「阿房列車」シリーズはなしであります。

第一阿房列車 (新潮文庫)

第一阿房列車 (新潮文庫)

 

 

きのうけふ

 新書版「谷崎純一郎全集」第23巻に収録されている「きのうけふ」という

文章を読んでいます。数日前にも言及したのでありますが、昭和17年に発表

されたものですから、ほとんど80年も昔の「きのうけふ」であります。

 このエッセイで谷崎は周作人の随筆集「瓜豆」について話題としています。

松枝茂夫さんの翻訳によって読んでいるのですが、まずは松枝さんが紹介

する周作人についてのくだりを引用しています。

「1934年正月、彼(周作人氏)は五十歳に達したのを自ら寿ぐユーモア詩

二首を発表して、左派の青年達から趣味的幽黙的有閑文人といふ烙印を

押され、猛烈な漫罵酷評を受けたことがある。そのとき林語堂が彼を弁護して、

周作人の詩は冷中静あり、沈痛を幽間に寄せたものであると云った。

この評語は甚だよい。以って彼の作品全体の評語とすることができると思ふ。

周作人は反語の名人である。・・

 周作人は畢竟愛国者である。その点さすがに血筋は争われぬもので、

兄の魯迅と少しも異なるところはない。」

 このような引用を続けたあとに、谷崎は「昨年周作人氏が来朝した時、

京都に於いてちょっと一時間ばかり同席する機会を得」として、そのあった

時の氏の印象を書くのでありました。

 いまや魯迅の作品ですら読まれているのかどうかでありますからして、

周作人などを読もうという人はほとんどいないでしょうが、平凡社の東洋文

庫に周作人読書日記というのが、着々と巻を重ねていて、これは値段も高い

し、とっても手がでないのですが、図書館にならんでいるのを見かけると、

読むことが出来なくとも、借りてみようかなと思うことです。

 この「瓜豆」集については「日本に関することばかりでなく、支那に関する

こと、西洋に関すること、魯迅に関すること等いろいろの随筆が集められて

ゐて、著者の博識を窺ふに足る」と書いています。

 そういえば周作人読書日記についての書評にも、周作人の博識に触れて

いるものがあったことです。 

周作人随筆 (冨山房百科文庫)

周作人随筆 (冨山房百科文庫)

 

 

 

周作人読書雑記1 (東洋文庫)

周作人読書雑記1 (東洋文庫)

 

 

   

 

再放送を期待

 本日の新聞に今年の民間放送連盟の連盟賞受賞作品一覧がのっていました。

テレビとラジオのそれぞれのジャンルでの最優秀賞ですが、当方の目を引いた

のはラジオ教養分野で受賞したものです。

 そこには、朝日放送ラジオが制作した「ラジオと童謡 『サッちゃん』の

阪田寛夫が残したもの」とありました。

 このような番組があったことは、もちろん知りませんでした。

 この関係のページを見てみましたら、このラジオ番組はいくつかの賞を受けて

いるとのことです。朝日放送では、受賞するたびに再放送をしていたようです

が、残念全く縁がなかったことです、どうやら最初の放送は2017年11月12日で

あったようです。出演者: 橋詰優子、 古川昌希、 大中恩(作曲家)

 どのようなものであったのか、本当聞いてみたかったことです。

 この番組は放送文化基金の賞も受けていて、その時の選評がありましたので、

以下に貼り付けです。

 「 ラジオにできること 金田一秀穂

 朝日放送ラジオ『ラジオと童謡と「サッちゃん」の阪田寛夫が残したもの』

は、阪田寛夫について分析するならば、本でも映像でも舞台でもなく、ラジオ

でしかできないということを、見事に示した。朝日放送の大先輩ということも

あって、過不足なく愛情をもって描き出して成功している。」

 金田一さんの評にありますようが、阪田さんは朝日放送に在職していた時に、

ラジオで「新しい子ども歌」作りを推進し、信時潔の「海道東征」の公演のた

め力を注いだのでした。

 子どもであれば、阪田寛夫さんが関わった歌の二つや三つ歌えるのではない

でしょうか。

 阪田寛夫さんについてまとまったほとんど唯一の著作である「阪田寛夫の世

界」谷悦子さんの第三章は「音楽のわかる詩人」というタイトルで、次のよう

になって書かれています。

阪田寛夫は、戦後童謡(新しい子どもの歌)の創造と普及、さらには研究の

面で大きな役割を果たした。ラジオ局の童謡制作者として数多くの作品を世に

送り、自身も童謡を創作し、歌を交えた講演を行うとともに童謡に関する評論

の執筆を続けた。」 

阪田寛夫の世界 (和泉選書)

阪田寛夫の世界 (和泉選書)

 

 この番組は、どのようにしたら聞くことができるでしょうね。これから再放送が

予定されているのでしたら、関西の親戚に依頼して録音してもらうこともできるの

でありますが。

 

すこし煮詰まりかな

 このところすこし野暮用が忙しいせいもありまして、ちょっと余裕のない生活で

あります。明日は金曜日で、その次からは週末になりますので、あれこれと平日に

できないことをしましょうかと思っているのですが、先行き不透明であります。

 札幌でやっている「ブリューゲル展」は、9月24日で終了となりです。学生で

あった70年代前半に京都でブリューゲル展がありまして、それを見物にいったこ

とがありました。たしか、いまもどこかにこの時の入場券が残っているはずであり

ますが、これが印象に残っていたのですね。

 仕事についてから、まもなく岩波書店が「ブリューゲル全版画」というセットも

のを刊行したときに、あとさき考えずに大枚はたいて購入しました。たぶん、一ヶ

月の給料の半分以上をつっこんだはずであります。いまも大切にして、二階の納戸

にしまってあります。

 今ほど「日本の古本屋」で検索をかけてみましたら、値段はがっかりするくらい

に安いのでありますが、自分への就職記念の一つであることは間違いなしです。 

ブリューゲル全版画 (1974年)

ブリューゲル全版画 (1974年)

 

  もったいないからと、あまり取り出して見ることもなしなのですが、あの全版画

は額装して楽しめるようになっていますので、これを機会に額を用意して鑑賞する

ようにしなくては。

 それはそうと、ブリューゲル展には期日までに足を運ぶことができるだろうか。

この週末からは文学館で「吉田一穂展」も始まるとのことで、この2つを午前、

午後でまわることができましたら、相当に優雅な一日となりそうですが。

www.h-bungaku.or.jp

あなたの好きな

 本日の新聞夕刊を見ましたら講談社でやっていた「あなたの好きな大江健三

郎作品」の結果が掲載されていました。講談社のサイトで投票をするというも

のですが、432人の人が投票したとありました。その結果についてのくわしく

講談社の特別サイトにありました。

 

 ちなみに気になる(?)ベスト10は以下のとおりだそうです。

news.kodansha.co.jp

1位(50票) 万延元年のフットボール
2位(27票) 個人的な体験
2位(27票) 芽むしり仔撃ち
4位(26票) 新しい人よ眼ざめよ
5位(25票) 飼育
6位(19票) 懐かしい年への手紙
7位(18票) 同時代ゲーム
8位(17票) 洪水はわが魂に及び
9位(16票) 奇妙な仕事
10位(15票) セヴンティーン

 432人の投票というのが多いのか少ないのかであります。どちらにしてもこの

数字とリストからうかがえるのは、大江さんのファンは、あまりネットにはでて

こなくて、年齢が高そうだなということですね。

 このベスト10をみたら、ほとんど当方にもなじみの作品ばかりでありまして、

ほとんど同時代に読んだものばかりです。

 当方が一押しするとしたら、なんでしょう。やはり「個人的な体験」かな。

なにがやはりなのかは説明のしようがないのですが、なんとなく「やはり」と

記してしまうのでした。

 

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

 

 

 

すこしは慣れてきたか

 はてなブログに引っ越して、そろそろ二週間となります。ダイアリーと比べた

時に、どのような機能が追加され、売りとなっているのか確かめているところで

あります。当方はもとからこれを利用して商売につなげようという考えはないの

ですが、これまでよりもページビューが少ないこともあって、ページビューを

増やすために何か方法はあるのかなと思ったりです。

 もともとそんなに多くはない同好の士とつながれればいいのでありまして、

ほそぼそとやってればいいのに、何をばたばたしているのかです。

とはいいながら、Twitterとのリンクなどをはじめました。以前からTwitter

アカウントは取得していたのですが、とりあえずブログとリンクさせることを

試行中であります。

 児山紀芳さんというと、いまでもNHKFMで番組をもっているジャズ評論家、もち

ろん「SwingJournal」という雑誌の編集長を長らくやっておられました。ジャズの

愛好家には理屈っぽい人もいて、そういった人たちは「SwingJournal」なんてと

いってばかにしていたかと思いますが、jazzの大衆化のために大いに貢献でありま

した。植草甚一久保田二郎も、この雑誌からだものな。

 

ジャズのことばかり考えてきた

ジャズのことばかり考えてきた

 

 

お天気よろし

 このところ秋晴れの良いお天気が続きます。先日の地震から引き続きで

余震が起こっていて、今朝も震度3くらいの揺れがあって、そのためか

行楽に出かけようという気分にならないことです。

 本日は「敬老の日」でありますからして、その主旨にそった生活をしなく

てはいけませんですね。

 昨日に話題とした西江雅之さんの岩波「図書」2010年のものを探してみよ

うということで、物置にいれてあるダンボール箱をいくつかチェックしたの

でありますが、本日の捜索では発見することができませんでした。物置の

どこかにあるのか、それとも別の部屋におかれてある箱に入っているのか

な。とにかく、「図書」も「ちくま」も捨てていないのですから、丁寧に

時間をかけて探せば、どこかにあるのですね。まあ、そのうち見つけること

ができるはず。

 このところ読書はページを稼げていませんです。読んで楽しくて、お勉強

になるというのが一番であります。そんなことを思いながら、新書版「谷崎

潤一郎全集」を手にしていましたら、これなら読めそうというものがあって、

それを読んでみることにしました。

昭和17年文藝春秋に連載されたという「きのうけふ」という作品です。

この作品の最初のところにおかれていて、眼をひいたくだり。

「氏は私を見るや次の間からようと底力のある声をかけて這入って来られた

が、三四年前と、ちっとも変つてをられない、どころか、却って少し若くな

られたくらゐに見えたのに、私は軽い驚きを感じた。氏は私より十歳とは

年長でないが、それにしえも何年か前に還暦を済まされた六十何歳翁である。」

 この時の谷崎は56歳くらいでしょうか。氏とあるのは、永井荷風でありまし

た。荷風は7歳くらい年長ですから、63歳でしょうか。

 この時代にあっては、還暦を過ぎたら年寄りということになるのですね。

そういえば、老人福祉法というのができた1963(昭和38)年頃でも、老人と

いうのは60歳を超えた人のことという認識でしたね。

 いまじゃ老人といえば、後期高齢者にならなくては資格がないようなこと

になっていまして、63歳翁なんていうと、馬鹿にしてるのかといわれそうで

ありますね。