2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

そろそろ師走 3

学校を卒業して、地元に戻り仕事につくことになる期間に野間宏さんの「青年の環」 を読んでいたのは、今となってはいい時間の使い方であったなと思っています。 長い小説は好きでありますが、野間宏さんのものは、けっこう読みにくいので、よほど 気持ちに余…

そろそろ師走 2

そろそろ今年の振り返りの時期となりますので、今年はどのようなものを見たり、 聞いたり、買ったりしたのかと、メモをチェックしています。本の購入リストを 見てみましたら、つけ忘れが多数あるようですが、例年の半分くらいしか購入でき ていないがわかり…

そろそろ師走

あとわずかで12月となりますが、ことしは公私ともにいろいろなことがありました。 私的には還暦を迎えたことや、定年退職して再就職したことがあげられます。社会的 には、大震災とそれによって引き起こされた原子力発電所の爆発が、これからも記憶 に残る年…

旅の空から 9

関西旅行から大阪文学学校、川崎彰彦さん、編集工房ノアと話がつながっています。 先日の京都で購入した山田稔さんの「日本の小説を読む」には、「1960年代初めの 『よむ会』メンバーの、他の文学グループとのかかわりぐあい、いわば人間相関図と いったもの…

旅の空から 8

「樹林」の川崎彰彦追悼特集号には、興味深い文章がたくさんのっているのですが、 川崎彰彦さんというと、反射的に思いだすのは編集工房ノアであります。この特集には、 編集工房ノアの「涸沢純平」さんが文章を寄せています。(それこそ、涸沢さんがこれ ま…

旅の空から 7

大阪の街歩きをしていて地下鉄谷町6丁目駅で、人と待ち合わせをしていたときに、 この近くに大阪文学学校があることがわかり、どんなところかとのぞきにいったら、 たまたまいつもよりちょっと早くに事務局長さんがいらしていて、それで「樹林」 の川崎彰彦…

旅の空から 6

当方にとって大阪文学学校は、なによりも川崎彰彦さんに結びつくものであります。 拙ブログで大阪文学学校に言及しているのは、川崎彰彦さんとか編集工房ノアの「海鳴 り」や刊行物にかかわってのことでした。 まったくミーハーなファンでありまして、大阪文…

旅の空から 5

すでに旅からは戻っているのですが、もうすこし旅で出会った話です。 今回の関西旅行は、ちょうど紅葉の時期にあたったせいもありまして、京都の宿は どこもいっぱいとのことで、どちらかというと大阪を軸に動くことになりました。 京都よりも大阪のほうが大…

旅の空から 4

関西旅行の初日と最終日は大阪散策です。 最近の旅行はフェルメール作品の国内公開にあわせて日程を組んでおりましたが、 今回はフェルメール作品が宮城へと移動しておりまして、見物することができずで ありました。これはまたの機会であります。 関西では…

旅の空から 3

これまでは旅行にでたら、どこででも古本屋めぐりをしたのでありますが、今回は さっぱりであります。すこし古本熱がさがってしまったでしょうか。 本の置き場に困っていますので、本を買うためには、そうとうに考えなくてはいけ なくなっています。買うため…

旅の空から 2

本日は紅葉を求めて京都ですが、今年は例年よりも紅葉が遅いのではないでしょうか。 京都駅での情報では、紅葉見ごろとなっているのが比叡山だけになっていました。 それよりもなによりも、人の多いことに驚きです。京都駅は人でごったがえしていまし た。こ…

旅の空から

3月から小沢信男さんを話題にしておりましたが、本日は旅にでていることもありまし て、小沢さん話題から離れます。小沢さん話題は248回となりましたが、これは二、四が 八で、なんとなくごろがいいではありませんか。 当方の住むところは、すっかり紅葉が終…

小沢信男著作 248

小沢信男さんの「東京骨灰紀行」は、書き下ろしでありますが、これの目次は 次のとおりです。 ・ ぶらり両国 ・ 新聞旧聞日本橋 ・ 千住、幻のちまた ・ つくづく築地 ・ ぼちぼち谷中 ・ たまには多磨へ ・ しみじみ新宿 ・ 両国ご供養 ・ あとがき 「あと…

小沢信男著作 247

小沢信男さんの「東京骨灰紀行」は、矢幡英文さんの写真を使って、間村俊一さんが 装丁をしています。表紙カバーは東京の俯瞰写真ですが、これはどのあたりからの 写真でしょうか。見る人が見ましたら、すぐにわかるのでしょうが、当方は東京の新しい 高層ビ…

小沢信男著作 246

昨日に掲載した「新日本文学」の表紙絵は、どなたのものでしょう。目次には表紙構成 「木村恒久」とありますので、木村恒久さんによるものでしょうか。これは当方も名前 だけは知っている「おばけ煙突」ではないでしょうか。おばけ煙突とかが名所(?)で あ…

小沢信男著作 245

雑誌の「新日本文学」を、何十年かにわたって定期購読をしていたはずです。 新日本文学会の会員以外で、こんなに長く定期購読をしていた人はいるだろうかなと 思うほどであります。どうして定期購読をしていたかというと、これは近所の本屋 には注文をしなく…

小沢信男著作 244

小沢さんによる新日本文学会の「解散提起」は2003年5月31日になされ、田所泉さんの 「新日本文学<史>のための覚書」が「新日本文学」に連載したのは、翌2004年のこと でありました。田所さんの「覚書」の最終章は、2004年11・12月号に掲載となりました。 …

小沢信男著作 243

文学運動というからには、しっかりとした理念がなくてはいけないのですね。政治の 優位性ということが前提でありましたら、その政治団体の運動方針をなぞるということ でいいのかもしれませんが、政治団体と縁切りをしたことによって、多様な会員をまと める…

小沢信男著作 242

田所泉さんによる「新日本文学<史>のための覚書」の最終章は、「六十年・未完の 実験」となっています。 最終章の書き出しは、次のようになっています。 「 ひとつの文学運動体が、あしかけ六十年にわたって同じ名称で活動を続けるという ことは、歴史上も…

小沢信男著作 241

小沢信男さんについで事務局長となったのは、野呂重雄さんでした。前に野呂重雄さん に言及したときにも引用しましたが、小沢さんは解散提起のなかで、「野呂重雄は血の 小便流して苦しんだんだよ、この借金をどうするかと。」といっています。 小沢さんは事…

小沢信男著作 240

「はしごを外す」とか「はしごが外れる」ということばがありますが、小沢さんが新日本 文学会の「事務局長」になったのは、「はずれたはしごにのぼる」というようなものです。 田所泉さんの「覚書」からです。 「だが小沢・小野のコンビは、よくこの困難を乗…

小沢信男著作 239

田所泉さんによる「新日本文学<史>のための覚書」に、小沢さんはどういう登場の 仕方をするかを見ています。書き手としての小沢さんというよりも文学運動家としての 小沢さんであります。 小沢信男さんは「事務局長にならされた」と発言していますが、この…

小沢信男著作 238

田所泉さんによる「新日本文学史のための覚書」をのぞいてみますと、設立されてから ずっと内部での論戦を続けています。いまではぴんとこない共産党内部の路線の違いの あおりを受けたものもあり、いまの若い人々には、ほとんど理解できないことでしょう。 …

小沢信男著作 237

「新日本文学会」をつわものどもの夢のあとにしないための、小沢さんによる試みが、 「通り過ぎた人々」であり、「田所泉作品集 楠ノ木考」編纂作業でありました。 新日本文学会の解散を提起した「新日本文学会の半世紀」という個人報告も、もちろん そうで…

小沢信男著作 236

小沢信男さんの「通り過ぎた人々」の表紙カバーには、小沢さんの句が描かれていま す。 引鶴やいま殿の陣の上 雑誌「みすず」で連載時に読んで、単行本となった時に読み返して、今回、また思い つくまま読んでいるのですが、この句の意味合いは、昨日の引用…

小沢信男著作 235

小沢信男さんの「通り過ぎた人々」に導かれて田所泉さんの足跡をおっています。 田所さんには、何冊かの著作がありますが、亡くなってから刊行されたのは、次の ものとなります。 楠ノ木考 田所泉作品集 [ 田所泉 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地…

小沢信男著作 234

田所泉さんは、二十歳にしてメーデー事件の被告人となり、その後メーデー被告団 の事務局をつとめた経歴をもち、長く被告団のとりまとめ役をつとめていたようで あります。まず、この裁判闘争を闘うことが、生活の中心であったようにみえます。 その後に、大…

小沢信男著作 233

「新日本文学会」の解散提起(いいだしっぺ役)を担うことになったのは、小沢信男 さんでありました。 2003年5月31日〜6月1日にかけて行われた2003年度第46回総会においてです。 この時に、会員総数は202名、出席46名 委任状80名と「新日本文学」に掲載され…

小沢信男著作 232

組織というのは、立ち上げの時には勢いがあって、苦労を苦労とも思わないもので ありますが、これを維持するというのは大変でありますし、長期低落となって、組織 がなかば死に体となりますと、どんどんと人は離れるのでありました。 だれかが何かをしなくて…

小沢信男著作 231

小沢信男さんの「通り過ぎた人々」は、雑誌「みすず」連載中から話題になっていた と思います。 「朝日新聞」の読書欄にありました「亀和田武のマガジンウオッチ」の2006年3月19日 付には、「忘れえぬ人々の肖像くっきりと」という見出しで、小沢さんが「内…