2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

堀江さんとギベール 7

ギベールの「赤い帽子の男」に夏目漱石の「こころ」が印象に残る形で登場するの でありました。漱石が海外で読まれているというのは、なんとなく不思議な感じがい たしました。 ギベールの作品は、短い章をたくさん連ねることによってできておりまして、どこ…

堀江さんとギベール 6

堀江さんが訳した「赤い帽子の男」であります。 堀江さんが、この小説の「山場のひとつ」と言っている主人公が、画家バルテュス にインタビューを試みるくだりを再読です。ほとんど人前にでることがなく、伝説的 な存在であったバルテュスですが、食事をとも…

堀江さんとギベール 5

ヴェネチュア映画祭審査員となって人前にでることになったバルテュスが眼の前に いるからといって、記者ギベールがインタビューができるほど、バルテュスが御し やすい人ではありません。 「ぼくは彼に話しかけてみた。黒眼鏡も取らず、こちらに視線すら下げ…

堀江さんとギベール 4

エルヴェ・ギベール「赤い帽子の男」というのは、作者とイメージのかぶる主人公 が絵画の収集を行うなかで、画商や画家とつきあい、贋作をめぐる業界の裏事情など を見聞していくというのが一つの流れとなり、それに通奏低音のように主人公の病気 を原因とす…

堀江さんとギベール 3

ギベールの「赤い帽子の男」を読んでいて、なかなか前に進まず足踏み状態であっ たときに眼にしたのが、昨日に引用したブルース・チャトウィンについてのくだりで ありました。 これに続いてにやりとしたのは、次のところであります。 「あとは複製ですら一…

堀江さんとギベール 2

堀江敏幸さんが翻訳したエルヴェ・ギベール「赤い帽子の男」は、はじめに思った よりもずっと面白く読むことができました。赤い帽子の男作者: エルヴェギベール,Herve Guibert,堀江敏幸出版社/メーカー: 集英社発売日: 1993/11メディア: 単行本 クリック: 5…

堀江さんとギベール

エルヴェ・ギベールの「赤い帽子の男」を読みました。200ページほどの中編であり ますので、読むのはそんなにたいへんではないと思っていましたが、思ったよりも時 間がかかりました。赤い帽子の男作者: エルヴェギベール,Herve Guibert,堀江敏幸出版社/メー…

本日の新聞に

本日の朝日新聞夕刊をみましたら、次の見出しがありです。 「en-taxi 休刊へ」 本文を見てみましたら、「11月26日発売の第46号で休刊することがわかった。発行 元の扶桑社が23日、明らかにした。」とあります。 これは残念なニュースであります。当方は扶桑…

足踏み続く 3

堀江敏幸さんの文章を読むまえに、エルヴェ・ギベールの「赤い帽子の男」を読ん でしまおうと思いながら、これはゆっくりと前に進んでいます。そんなに長い小説 ではないので、すぐに読むことができそうなのですが、なぜか牛歩です。赤い帽子の男作者: エル…

足踏み続く 2

毎日のように手にしてページを開いているにもかかわらず、なかなかページを稼ぐ ことができていないのがエルヴェ・ギベールの「赤い帽子の男」です。赤い帽子の男作者: エルヴェギベール,Herve Guibert,堀江敏幸出版社/メーカー: 集英社発売日: 1993/11メデ…

足踏み続く

最近購入した本を中心に、机のまわりに本の山ができています。 買った本に関連するものを、ほかのところから持ってきたりするものですから本 の山は高くなりがちであります。本を読むよりも、本の山をつくるのに熱心である のは困ったことです。 岩阪恵子さ…

車中の読書

本日は午後から遠出をしておりました。行きは車に同乗させてもらったのですが、 帰りは列車を利用です。ちょうど時間があったので、来年には姿を消すことになって いる急行「はまなす」を利用です。 長距離を走る急行列車はどんどん姿を消しているようですが…

自転車でブックオフへ

お天気の良い日が続きます。 数日前に、こちらの地域は雪虫の異常発生がありました。ところによって、すこし 状況に差があったようですが、当方のところでも、目の前を密度濃く飛び交っていて、 眼のなかに飛び込んでくるのではないかと思えるほどでした。 …

待ち時間に読書

毎日がお休みなのでありますからして、なにも日曜日に動いて、この日しかお休み でない現役世代の邪魔をしなくてもいいのですが、朝の一番であればあまり現役の人 たちに迷惑をかけることもあるまいと、午前10時にスマホの修理のために近所のドコ モショップ…

りんご村へ

本日はお天気に誘われ、峠を越えてりんご村へといってきました。 例年この時期に訪れるのですが、今年は先月から今月にかけて台風の影響による強 風のためにりんごが相当に被害をうけたのではないかと心配をしつつのりんご村行き でありました。 当方の生ま…

本日の夕刊から

本日の朝日新聞夕刊を見ておりましたら、社会面に「韓国、金石範氏の入国拒否」 という見出しが目にはいりました。 記事には、金石範さんの「火山島」の全巻翻訳が韓国で出版されることにあわせ、 ソウルで16日にある記念行事に出席する予定で、そのための韓…

冬は早く来る

関西から戻ってきましたら、この町の山に初冠雪とありました。 本日になって、午後に山を見てみましたが、その時間にはすでに雪は溶けていたよう です。どこまでが秋で、どこからが冬であるのかわかりませんが、関西とくらべます と、当然のこと「冬は早く来…

関西シリーズ終了

本日も大阪は晴れでありました。 この関西シリーズは通して雨に降られることもなく、本当にお天気に恵まれまし た。これも日頃の行いがよろしいからでしょうか。そんなことはないのでして、留 守していた地では、悪天候のために屋根のトタンがはがれたり、鉄…

本日も関西シリーズ 5

本日は秋の古本市のはしごを行いました。 お天気は暑くも寒くもなしで、しかも雨の心配がまったくないという古本市日和 です。当方の大阪での宿は、二つの古本市会場である大阪天満宮と四天王寺をつな ぐ地下鉄谷町線の駅近くにありまして、この時期に関西に…

本日も関西シリーズ 4

まだ関西です。 本日は日本のプロ野球のクライマックスシリーズがありましたが、これまで残って いた唯一の関西球団である猛虎軍が、残念ながらの敗退であります。関西に滞在して いなければ、パスしてしまいそうな話題も、応援している人たちの中にいますと…

本日も関西シリーズ 3

京都を散策していましたら、あちこちで琳派関連の催しが目につきました。 本日に訪れた京都府立植物園は、園内のあちこちにオブジェがおかれていま したが、そのなかにも「琳派」イメージのものがありました。 こういうふうに話題とするのでありましたら、も…

本日も関西シリーズ 2

本日から京都国立博物館では「琳派 京を彩る」展開催であります。 1615年に本阿弥光悦が鷹峯の土地を拝領し、そこに光悦村を開いた ことが琳派の始まりといわれています。 本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳、尾形乾山、酒井抱一、鈴木其一とつな がってい…

本日も関西シリーズ

本日は午後から京都に入りました。 京都ではいくつかの美術館が琳派展を開催していることもあって、 あちこちで琳派イメージのポスターを目にします。 百貨店の催しまでもが、琳派にちなんでいるのですから、本当に 人気があることです。 せっかくですので、…

本日から関西シリーズ 2

本日は幸いにしてお天気がよしとなりました。朝に目が覚めましたら生駒山 が朝焼けのなかにありました。 さて、本日はどこにいきましょうかと思って催しものをチェックしてみまし たら、奈良は今月末からの正倉院展にあわせて、国立博物館は展示替えで休館 …

本日から関西シリーズ

本日から関西シリーズであります。 午後の便を利用して大阪にはいりました。これからすこしの間、関西をうろうろと しております。 今回もちょうど四天王寺の古本まつりの時期でありまして、これの会場に足を運ぶ ことができそうです。本日は秋晴れのお天気…

古い「図書」から 3

古い「図書」を話題にしています。これまでの二冊は「荷風」と「漱石」の記念号 でした。一般の号で残っていたもので一番古いものとなると、どうやら1967年5月号の もののようです。 この号くらいから当方は「図書」を手にするようになったのですが、これが…

古い「図書」から 2

古い「図書」ということで、保管してあった50年ほど前の「図書」をながめていま す。これは「図書」10月号 特集800号記念に触発されたものです。 「図書」800号記念号の冒頭には、池澤夏樹さんと斎藤美奈子さんの対談がおかれてい ます。この対談では、池澤…

古い「図書」から

岩波「図書」が10月号で800号になったということで特集を組んでいます。 それを見て、当方も家に保存されている古い「図書」をひっぱりだしてきました。 この特集では「大澤聡」さんが、「出版PR誌がない!」という文章を寄せている のですが、大澤さん…

月が変わって 3

今月は岩波「図書」が800号記念ということで、いつもの月よりもずっと読みやすい 文章が多いようであります。 たぶん、当方が最初に手にした今から四十数年前のほうが、読みにくかったように 思います。 今月の「図書」の巻頭で西洋古典学の「中務哲郎」さん…

月が変わって 2

岩波「図書」10月号は「800号」記念とあります。 「図書」の前身は「岩波書店新刊」という予約出版物に折り込まれるパンフレットで あったとのことですが、これが「図書」という名前で再刊されたのが1949年11月号で、 それから66年経過して、臨時増刊を含ん…