2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

今年も「海鳴り」 6

川崎与志さんによる文章を見たのは、編集工房ノアの「海鳴り」22号のことであり ました。川崎さんに自慢の息子さんがいらっしゃることは承知していましたが、この 方が、成人してどのようになっているのかは、当方はまったく知らずでした。 今回の「海鳴り」…

今年も「海鳴り」 5

川崎彰彦さんを偲ぶ会を「夜がらす忌」というのだそうですが、二月四日の命日 近くではなく、四月に行われることとなっているようです。 「夜がらす」というのは、もちろん川崎さんの代表作となる連作集「夜がらすの記」 によっています。 「手近な字引に『…

今年も「海鳴り」 4

当方にとって「海鳴り」の楽しみは、山田稔さんの文章を拝見することであり、 ノアの書き手の方々の消息を知ることでありますか。 たとえば、社主 涸沢さんの文章から引用します。 「一昨年二月四日に亡くなった川崎彰彦さんの墓が、昨年四月、大和郡山の極…

今年も「海鳴り」 3

「海鳴り」24号の表紙には、「希望 杉山平一」という文字があります。 これは、杉山平一さんの詩集のタイトルにもなった「希望」という詩が収録されたもので あります。97歳の男性が世界の人々に対して、「とつぜん不意に 自分たちを 闇のな かに放り込んで…

今年も「海鳴り」 2 

「海鳴り」は編集工房ノアの出版活動の背景にあるものを紹介するのが目的の雑誌で ありまして、自社出版物の販売促進は二の次のようなところがあります。 最近のTVなどを見ていましたら、一日にいくつもの番組に顔をだして自分の出演映画の 宣伝をするのをよ…

今年も「海鳴り」

今年も編集工房ノアから「海鳴り」を送っていただきました。 「海鳴り」24号は、2012年6月1日発行とあります。5月中旬には発送が始まったようで あります。 表紙は、庄野英二さんのデッサンとなっていて、裏表紙には杉山平一さんの「希望」 という詩集が掲載…

みみずく先生 16

当方が新刊で購入したみみずく先生の著書は「みみずく英学塾」が最後となりました。 これをアマゾンの商品で検索をかけてみましたら、ヒットしませんでした。これより 古い「みみずく古本市」はありますのに、どうしたのでしょう。 これは青土社から1987年4…

みみずく先生 15

とりあえず「みみずく先生」の著作紹介のつづきをやりましょう。まるで半端ではあり ますが「みみずく古本市」の書影まで紹介をしました。この本は、「古本市」と題されて いるとおり、書評を中心にまとめられていまして、あとがきを見てみますと、みみずく …

異化する空間 5

在原業平といえば、古来より美男子の代名詞のような存在であります。 女性でいえば小野小町でありまして、こちらのほうはいまも小町娘という言葉と なっていますが、業平のほうは、東京で地名となっているのみで、業平から美男を 連想させるような慣用語はな…

異化する空間 4

昨日に掲載した根津美術館の庭園に咲いていたのは、かきつばたでありますが、 いずれあやめかかきつばたといわれるものの、あやめは沼地には生息しませんので花の 雰囲気はにていますが、生息地の環境はまるで違います。 沼地に咲いているからこそ、橋がかか…

異化する空間 3

今回の旅のお目当てはバラ展とセザンヌ展でありましたが、セザンヌ展は期待が大き かった分、すこし物足りないものを感じました。どのようなものが出品されているかも 知らずにいっていたのですが、過去にはもっと良い作品を見たような記憶があるので すが、…

異化する空間 2

この時期、都ではやるものであります。 明日は金環日食が見られるとのことで話題になっているのですが、お天気はどうで しょうか。天気予報を聞く限りでは、雲がかかって天体観察のためにはあまりよろし くないようであります。 22日は東京スカイツリーの開…

異化する空間

その昔に「虚無への供物」にはまったせいもあって、中井英夫さんによる薔薇の本 とか、平凡社からでていた新書サイズのバラの本(京成バラ園の鈴木省三さんによる ものではなかったか。)などを購入しました。 当時、バラはお金持ちが手がけるものと思ってお…

みみずく先生 14

「作品への愛」なんてことを正面切っていうのが篠田さんらしいことであります。 このような大雑把ないいかたは、批評家失格というのがみみずく先生の立場ですね。 批評理論からすればみみずく先生のいうとおりですが、どちらかというと本格的な 文学グルメで…

みみずく先生 13

篠田一士さんと由良君美さんの、抜き差しならない関係について「先生とわたし」に は、次のように書いてあります。 「篠田側が由良君美の翻訳の誤訳を指摘し、由良君美が目立たぬ形で当て擦りのエッセイ のなかに記すという形で、両者は敵対してきた。それが…

みみずく先生 12

みみずく先生が、篠田一士さんに強烈なライバル意識をもっていたとは驚きであり ました。篠田さんの最初の著作は、小野二郎さんによって送り出された「邯鄲にて」 でありまして、「現代イギリス文学」はそれについでだされたものだったはずです。 「現代イギ…

みみずく先生 11

林達夫研究ノートには若手研究者の寄稿があって、由良さんはそれに声がかからなかった ことがお気にめさなかったかと昨日に記しましたが、由良さんよりも年少の寄稿者という と山口昌男、五木寛之、大江健三郎の三人でのみで、このなかに食い込むのは、70年…

みみずく先生 10

みみずく先生の著作を久しぶりに手にしてみますと、ほとんど初めて読むような新鮮 な感覚であります。しかも、今回は四方田犬彦「先生とわたし」をガイドブックにする のでありますからね。 青土社からでた三冊目は「みみずく古本市」であります。みみずく古…

みみずく先生 9

みみずく先生の著作を手にしていますが、今回の文庫本でありがたいのは巻末に主要 著作および訳書一覧が掲載されていることでしょうか。これをみますと、著作で当方が 購入しなかったのは、87年にでた沖積舎「読書狂言綺語抄」と 88年青土社「ディアゴロス演…

みみずく先生 8

ブログを拝見していましたら、ちくま文庫新刊の「みみずく偏書記」を入手したと いう書き込みなどがありまして、9日販売ということだから、早いところでは店頭にな らんでいるのかと思いましたです。 当方の住む町の本屋には、ちくま文庫が入荷しなくなって…

みみずく先生 7

みみずく先生ということで由良君美さんの本を話題にしていましたら、当然のことなが ら、この話題は四方田犬彦さんの「先生とわたし」ではどのように取り上げられていたの かと思うのでした。何度が読んでいるはずでありますが、すっかり忘れてしまっていて…

みみずく先生 6

みみずく先生が「わたしが求めてやまなかった江戸文人と洋学者の伝統」と記している のは、「風狂 虎の巻」にあります「最後の江戸文人の面影 平井呈一先生を偲ぶ」 においてであります。 この文章の書き出しは、次のようになります。 「必要な時期に必要な…

みみずく先生 5

みみずく先生は、浪漫派文学・芸術を主軸として文筆活動を行ったのですが、父親が 浮世絵の研究家でもあったので、幼少のころから江戸時代の文化にも親しんでいたもの と思われます。 「風狂 虎の巻」には、贋作について文章がありますが、そこには、次のよ…

みみずく先生 4

由良君美さんは、「みみずく」は「わたしの斎号からきており」と「みみずく偏書記」 のあとがきに記しているのですが、「偏書記」のあとがきの締めには、「昭和58年4月 15日 春宵雨読の日 由良君美 識 」とあります。「偏書記」をぱらぱらと見る限 りでは、…

みみずく先生 3

みみずく先生による「青土社」からのものは、全部で5冊ですが、ちくま文庫には うち何冊が収録されるのでしょう。販売がよろしくないと「みみずく偏書記」だけで 終わってしまいそうですが、他のものも文庫化されることを期待して、ほかのものも 書影をかか…

みみずく先生 2

みみずく先生というのは、おれのことかといわれそうですが、ご本人は木兎斎といって いるのでありまして、ひらがなで「みみずく」とはいっていないのです。まあ書名には かなで「みみずく」としているのですから、「みみずく先生」といってもよろしいので し…

みみずく先生

由良君美さんの「みみずく偏書記」を手にしています。まもなくちくま文庫で手に できるようですが、この本が文庫化されるのも「先生とわたし」効果でありましょうか。 「みみずく」と「ふくろう」はどう違うのかと思って、検索をかけてしまいました。 どちら…

月のはじめに 2

月のはじめの楽しみといいますと、次々と出版社のPR誌が届くことでありますが、 いつからか前月末に届くものがあったりして、そのうちには月刊誌と同じように、 5月号というのは前月にでたものをいうようになりそうです。 月刊誌に掲載のものを引用したりす…

季節の話題

五月は黄金連休があって、それが終わると「母の日」が待ち構えています。 ことしはアップルから「母の日」には「iPad」を送ろうという趣旨のメールが届きまし た。メールの件名は、以下のようになっています。 「母の日ギフトガイドをご用意しました(お母さ…

今年も山猫忌 9

長谷川四郎さんの命日(4月19日)にあわせた山猫忌でありますが、最近眼にした 長谷川四郎さん話題をと思っていたものの、それが何であったのか忘れてしまって おりました。 月の初めにということで、月末から初めにかけて手元に届いた出版社のPR誌とか 雑誌…