最近買った本 2

 谷崎潤一郎全集というのは、何回くらい刊行されたものなのでしょうか。
生存中に刊行されたものは、もちろん全ての作品を収録とはいきませんので、選集
のようになってしまいますが、没後からでたものであっても版型をかえたものとか、
再編集されてでたものとかあって、人気作家であることがわかります。
今回入手のものは、豪華普及版とありますからして、もともとあったものを版型を
新書サイズにしたものでしょうか。新書サイズの二段組みですから、ネットで検索を
かけますと、読みにくいのでおすすめできませんとあります。いまから50年も昔の
ものですから、時代の雰囲気を味わうのには、とてもよろしです。当時の値段で180円
というのは、けっして安い物ではなかったでしょう。当時の岩波新書はいくらであった
ろうか。当方は昭和33年は7歳でありましてやっと小学生となったところで、本という
とお正月に「冒険王」を買ってもらうくらいしか縁がなかった。
 この豪華普及版の装釘者は棟方志功さんでありました。
 この本の最終ページには、この本の制作に関する資料が掲載されています。
 印刷一切    大日本印刷株式会社
 本文見返用紙  三菱製紙株式会社
 表布挿紐    望月株式会社
 函貼用紙    山田商会
 製本      毛利製本工場
 製函      加藤製函印刷株式会社
 
 大日本印刷三菱製紙はいまも会社は健在でありますが、その他のところはどうで
ありましょう。出版不況の現代に、この時代の職人さんたちが活躍の場を確保できる
ことを願うものですが、それにしても函入りの本が少なくなったことです。