最近買った本

 先週にお邪魔した大阪天満宮「天神さん古本まつり」では、均一台にありました
豪華普及版「谷崎潤一郎全集」から「細雪」上中下の三冊を購入しました。
もちろん一冊百五円でありました。
 その昔は普及版全集というのがあって、それのサイズは新書版でありました。
夏目漱石全集についても、同様のものが岩波からでていましたですね。最近は
全集の企画がすくなくなって、やっとそれを売り切るような状態ですからして、
新書版のものなどでてくるわけもなしですね。(そういえば、一時期文庫版での
全集などもありました。宮沢賢治とか柳田国男などのちくま文庫のものがすぐに
思い出されます。)
 今回入手した「細雪」は全集の二十四巻から二十六巻に入っています。昭和33年
にでたものでした。1958年12月からですが、いまから50年以上も昔にでたもので
あるのに、じつにしっかりとした本となっています。最近の文庫本にも「細雪
ははいっているのですが、この作品は、すこしぜいたくな本で読んでみたいと
思います。とはいっても、手がでないようなものでは困りますし、気楽に読むこと
ができないのも、どうかとおもいます。そうしたことからは、この新書版は
うってつけのものです。もちろん旧かなつかいで、これでなくては気分がでません。
 ちょうどこの豪華普及版全集が刊行されていたころに、谷崎潤一郎さんは、
ノーベル文学賞の候補になっていたのですが、日本で最初の文学賞には谷崎こそ
ふさわしいように思います。