休みの日は小説を

 昨日の日曜日は、午後から大荒れの一日となりました。午前中から曇天で、風がでて
いたのですが、午後からは瞬間風速20数メートルという強さとなり、傘はきかない状態
となりましたので、外にでようという気分にもなりません。
 そういう時は、ねころんで肩のこらない小説を開くに限ります。読み継いでいる加賀
乙彦さんの「雲の都」はやっとこさで、第五巻(最終巻)までたどりついたところで
あります。この小説の第一巻を読み始めたときに、「火之子」さんという女性の登場
人物がいて、この娘さんは、どのような成長をとげるのかと思っていましたが、この
娘さんの名前をいただいたお店(のママさん)にふさわしい魅力的な女性となってい
ました。これから小説は大団円にむかってすすんでいくのでしょうが、先を急ぐことは
ありません。毎日、夜にふとんにはいってから数ページずつ読むことにいたしましょう。
 亡くなった丸谷才一さんを偲んで、丸谷さんの小説も手にしています。こうした時に
手にするというと、短いものとなりますが、毎日新聞読書欄での三冊というところで、
鹿島茂さんは、丸谷さんの中編から「樹影譚」をあげていました。あの作品が発表され
た頃、当方は目黒区大鳥神社界隈に住んでおりまして、権之助坂を通って目黒駅へと
いっておりました。( この本を目黒の本屋で見た話は、前にも話題にしておりまし
た。  http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20100901 )
丸谷さんの中編で、「横しぐれ」をとるか「樹影譚」をとるかですが、作品の善し悪し
よりも、当方へのインパクトの大きさで、当方は「横しぐれ」に軍配です。
 と思いながら押し入れにしまいこんである「樹影譚」を取り出して、本の表紙をなが
めて読むこともなしであります。
 結局、読んだのは丸谷作品としては「新潮」に掲載されたまま放置されていて、当方
は、けっこう気にいっている「今は何時ですか?」という作品でした。この作品の掲載
号はすぐにわかるのでしょうが、当方のコピーには掲載号についてのメモがないことか
ら、いまははっきりせずです。( どうやら99年2月号のようです。)
 この作品が発表された時に、どのくらい話題となったものか、どちらにしてもこの
作品は単行本に未収録のままで、いまにいたっています。