2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧
後年になってから、拙ブログを自分で見返して、この時期はいつにも増して更新が 中途半端であるなということをいいそうでありますので、その時のために記しておき ますと、この時期は4年に一度、サッカーワールドカップの本大会が南アフリカで 開催されてい…
52年10月に刊行となった角川書店からの「昭和文学全集」の初回配本が横光利一集 であるというのは驚きです。横光利一さんが、戦争末期のころの文化ヒーローで あったことは、加藤周一さんの「羊の歌」でのとりあげでもうかがえるのですが、 こういった時代の…
柴田光滋さんは、「昭和は文学全集の時代」と記しています。柴田さんは、新潮社 でかかわった文学全集のことを念頭にして記しているのですが、一人一冊という方針 の「新潮現代文学」(全80巻 78年〜81年)というのは、最近でもブックオフなどで 見かけるこ…
先日に購入した柴田光滋さんの「編集者の仕事」には、「昭和は文学全集の時代 だった」という章があります。 編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)作者: 柴田光滋出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/06/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 32回こ…
本日の朝日新聞朝刊に平凡社の広告がありました。(それにしても、最近の新聞掲 載となって広告は、一昔前でありましたら、新聞の品格を落とすといって掲載見送り となったようなものが多くて驚きです。新聞各社は部数が減っているところにもって 広告収入が…
篠田一士さんが編集した「東西文芸論集」を話題としています。それにおさめられ ているエッセイの一部タイトルを昨日に転記しましたが、70年くらいになってから、 知られるようになったベンヤミンの「パリ 十九世紀の首都」が、このようなところ で訳出され…
丸谷才一さんの「文学のレッスン」を拾い読みしているうちに平凡社から刊行され た「世界教養全集」に話題が転じてしまっていますが、本日はちょっぴり話しを戻し て、篠田一士さんが、おう外「空車」を「純粋散文」といっているところなどを見て みることに…
「karenaina77」様から「世界教養全集」は懐かしいと、書き込みをいただきました。 当方は団塊の世代の最後尾に位置します。父は家貧しくて向学心旺盛であったが おもうように進学できず、苦学して学校を卒業し、職についたのであります。理想 としたのは旧…
昨日に書影を掲げた「東西文芸論集」は、平凡社「世界教養全集」の別巻として刊 行されました。「世界教養全集」は全34巻からなります。別巻は4巻構成となります。 当方は、このシリーズの他巻はもっていないのですが、63年にこの別巻にたどりつい ていると…
昨日に一緒に購入した本もぱらぱらとページをめくっています。目に飛び込んで くる文字のところで、手をとめます。文学のレッスン作者: 丸谷才一,湯川豊出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/05/01メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 159回この商品を含む…
本日は、昨日に購入した本を手にして、斜め読みしていました。 一冊は「編集者の仕事」でありますが、これは新潮社に勤めていた編集者柴田光滋 さんによる新書で大学での講義をベースにしてあるとのことです。耳年増のような 本好きには、そんなことは知って…
小林信彦さんの父上である立花屋九代目当主は、もともと和菓子職人の親方として 育てられたわけではないのです。はいからで遊びが好き、エンジニアに憧れていたと あります。 「 彼はオースティンの黒いワゴンを買った。本当はワゴンでない方がいいのだが、 …
小林信彦さんの「日本橋バビロン」と「和菓子屋の息子」は、ともに自分の生家 である日本橋の老舗和菓子屋店「立花屋」に題材をとった「栄華と没落の叙事詩」 であります。「和菓子屋の息子」は、主に家族を軸にしていますが、「日本橋バビ ロン」は、これに…
「和菓子屋の息子」と、小林信彦さんは自らのことをいっていますが、生家で ある立花屋菓子店は、小林信彦さんが生まれたころは、入婿した祖父が八代目の 当主を勤め職人も20人以上を抱える大店であったとのことです。 世が世であれば小林さんは、十代目を…
本日の朝にNHKラジオを聞いておりましたら、今日はなんの日というコーナーで、 本日は「和菓子の日」であるといっておりました。昨日まで、ノアの本にかこつけ て餅搗きとあんもの話題で遊んでいたのですが、「和菓子屋の息子」と記した時には、 その翌日が…
文学者たちが家族連れで集まって、歳末に餅をつくというのは、いかにも「編集 工房ノア」の本にふさわしい風景であります。72年ころの、この大槻家での餅搗き はいつころまで続いたのでありましょう。大槻さんにはどうやら子供さんはいらっ しゃらないようで…
編集工房ノアの本について記しているのですが、ここのところは、すっかり 餅搗きの話題となっています。大槻鉄男さんが「樹木幻想」の「餅搗き」と いう文章にある「餅搗き、餅搗きと騒ぎ立てれば、来年四十三歳になる石田 や山田などは、幼児の郷愁をそそら…
大槻鉄男さんは、「餅搗きなどに興味はなかったが、古い木の臼は、ぜひ 欲しいものだと思った。」と書いています。餅搗きなどに興味はないと いいながら「古い木の臼」は、とくに「山形県月山の古臼となれば、ぜひ 手に入れたい。」というのですから、よくわ…
昨日に書影をかかげたノアの本、大槻鉄男さんの「樹木幻想」は80年刊行です。 昨日のは写真は、実は箱の写真でありまして、本体の背表紙には書名がはいって いるのですが、表裏どちらの表紙ともに文字が一切はいっていないので、この ところを写しても、何の…
大槻鉄男さんには、亡くなったあとに作品集が編まれています。林ヒロシさんの 「臘梅の記」は、この作品集と合わせてよまれるべきものでしょう。 「臘梅の記」の冒頭におかれている「素描」という文章の末尾には、「樹木幻想」 の山田稔編・大槻鉄男略年譜を…
編集工房ノアの本ということで、ノアからでた林ヒロシさんの「臘梅の記」を 話題にしています。林ヒロシさん(1943年生まれ)が、大学での恩師でありました 大槻鉄男さん(1930年生まれ)との交流について書かれたものです。 「先生とわたし」というジャンル…
昔とくらべると教えを受けた先生との関係はずっと希薄になってきていると 感じるのであります。この場合の昔というのは、さかのぼればさかのぼるほど であります。「先生とわたし」というのが徒弟制度のような師弟でありました ら、その昔は、ほとんど住み込…
大槻鉄男さんが愛知大学に職を得て、専任講師で赴任したのは32歳くらい のことです、その時に、林ヒロシさんは19歳くらいでしょうか。ちょうど良い キャリアと年齢差であるように思います。 当方は学生時代に、あまり学校にいかなかったせいもあって、授業…
編集工房ノアから「海鳴り」22号をおくっていただいて、いつものように 巻末にある刊行目録から選書し、ノアに注文をだしました。ノアの本は、当方の 行きつけの本やには、まったく入荷しませんので、直接版元に注文するしかあり ません。編集工房ノアは仕…
「朝日ジャーナル」らしいのは、鶴見俊輔さんではなくて和田春樹さんである のかもしれません。最近は、和田春樹さんの発言などをみることが少なくなって いますが、昨日に引用した対談における和田さんの発言は、30年ほどたってから 見ても、まったく問題…
「朝日ジャーナル」の臨時増刊の「ブックガイド」でありますが、このガイドなどは、 当時の「ユリイカ」などでも特集を組んでいても不思議のないものです。 朝日ジャーナルは、どちらかというと新左翼にシンパシーを感じているような記事が 売りであったのか…
「朝日ジャーナル」のブックガイドを紹介するということで、記しておりますが、 結局のところ、前田愛の評論のところでとまっております。この「都市を描く」と いうリストのベースにあるのは、前田愛「都市空間の文学」(筑摩書房)であり ます。 「都市を…
昨日に引用した「都市を描く」というブックリストは、連歌的といいますが、 大変刺激的なものになっているように思います。このリストを見て、これまで 長いこと積読状態であった「都市空間のなかの文学」をひっぱりだしてきて、 この本でとりあげられている…
昨日に続いて「ブックガイド82」から話題をいただくのですが、「ペーパー バックスの世界」と題されているわりには、「ブックリスト」は、ペーパーバック を主体にとありますが、ペーパーブックだけに限定しているわけではありません。 このブックガイドをつ…
昨日に表紙を掲げた「朝日ジャーナル」82年3月25日 臨時増刊は、ブックガイド82 というタイトルで「ペーパーバックの世界」という特集です。 これには、「私が買った本」というコーナーがあるのですが、ここには、いまでは亡 くなってしまった人がたくさん…