2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「馬淵美意子のすべて」に話題がいったのは、その装本がすばらしいからでありまし た。亡くなった奥様のために本の装丁も行っていた画家のご主人が追悼の意をこめて つくられたものでありますから、その出来映えは格別であります。 刊行日は1971年3月16日と…
馬淵美意子さんの詩の紹介です。 馬淵さんの詩には、散文のようなものと、ことばを極限まで削ったものとが あります。 まずは、言葉のすくないものからです。 冬 どうしてなの かまきり 木洩れ日の あみを くぐり よごれた あたしの衿を うすい むねを さま…
詩人 馬淵美意子さんについては、菅野昭正さんが「詩の現在」という批評集でとり あげていました。今回、この本を参考にしようと思ってさがして見たのですが、すぐに は見つからずでありました。 そのうち、どこかからでてきたら紹介をすることにしましょう…
昨日の刊行者のごあいさつにあったように、詩人であった奥様がなくなったのを機に 編まれた文集が「馬淵美意子のすべて」となります。 昨日に引用したところの続きの部分です。 「手文庫の中には、未発表の詩、散文、エッセイ、日記と未完の小説などいっぱい…
昨日にちょっとふれた「馬淵美意子のすべて」という本についてでありますが、この 本のことを知ったのは「みすず読書アンケート」でのことでありました。 今から40年もむかしのことになります。この本をあげていたのは誰であったかと確認 をしてみましたら、…
当方のブログでは、これまでも装丁についてを話題としていますので、杉浦康平 さんのデザインについても言及しておりました。 何といっても60年代後半からの20年ほどは杉浦康平の時代でありましたからね。 拙ブログでどのようなことを話題にしているのかと、…
先日まで話題にしていた「しんとく問答」の装丁は田村義也さんでありましたが、 「本の雑誌」3月号の冒頭コラムにも田村義也さんの名前は登場しますので、ここの つながりのキーは田村義也さんであったのですね。 おかげで久しぶりで「田村義也 編集現場115…
「本の雑誌」3月号の特集は「造本・装丁は楽しい!」であります。 巻頭におかれた発行人によるコラム「今月の一冊」は「装丁雑記」というものです。 坂口顕さんという、かっての岩波書店で社内装丁を担当されていた方による本のよう です。岩波の社員さんに…
後藤明生さんの「しんとく問答」は、もちろん古書でしか入手ができないのですが、 最近は娘さんがやっているアーリーバードブックスというところから電子書籍で刊行 されています。(「アーリーバード」とあると「挟み撃ち」を思いだしますね。)しんとく問…
小説「しんとく問答」は、連作集の巻末におかれるのですが、この作品は俊徳丸 伝説の地、俊徳丸鏡塚古墳を訪問するというものです。 この鏡塚古墳のことは、今ではウィキペディアで確認をすることができるのですが、 後藤明生さんが訪問した時は、場所がわか…
後藤明生さんの「しんとく問答」に収録されている小説「マーラーの夜」には住まい について、次のようにあります。 「聖マリア大聖堂の鐘で、平日は正午と夕方六時に鳴らされた。日曜日にはそれに午前 十時の鐘が加わった。教会は私のマンションから百メート…
後藤明生さんの小説「しんとく問答」を手にして、「俊徳道」からの連作を読んで います。 「贋俊徳道図絵」というのは、小説「俊徳道」の続編ともいうもので、三ヶ月後に雑誌 に掲載となったものです。 「小説『俊徳道』の初老の男は、週三回、俊徳道駅に停…
俊徳丸で検索をかけますと、ウィキペディアにそのものずばりのものがありました。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%8A%E5%BE%B3%E4%B8%B8 俊徳丸伝説というのがいろいろな芸能に話題を提供し、それが異本のような形で 演じられているということがわかり…
後藤明生さんの「しんとく問答」は、大阪連作集で8つの短編が収録されています が、興味深いのは「俊徳道」「贋俊徳道名所図絵」「しんとく問答」という巻末に おかれた三作であります。 「俊徳道」というのは、今は近鉄の駅名に残っているのでありますが、…
後藤明生さんは、1989年に近畿大学に勤務するようになって、それ以降大阪に通う ようになり、大阪にマンションを借りて住むようになったとあります。後藤明生さん には多くの作品があるのですが、しばらく購入していなかった後藤さんの本を買った のかであり…
先日は手が出なかった後藤明生さんの小説でありますが、過去にも後藤さんのこと を話題としていました。やっぱり気になる作家さんなのですね。 ( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20080518 から何日かとなります。) 近畿大学文芸学部の先生となったことで…
ロシアでの冬季オリンピックがはじまって、各放送局は特別番組を組んで放送してい ます。なかでも熱心なのはNHKでありますが、これはいつものことながら、今年は、 NHK会長や経営委員の適格性が問題となるような事態があったばかりですので、自分の 会社のえ…
本日は祝日でありますが、仕事にでておりました。別に「建国記念の日」というのを 認めないということではなくて、単にそういう勤務シフトであったからであります。 帰りの車でラジオのニュースを聞いていましたら、「建国記念の日」(というか 「紀元節」で…
昨日の夜、20時となった瞬間にTVでは、ニュース速報で都知事選挙の結果を伝えて いました。選挙の投票が終わって、まだ開票も始まっていないのにもうはや当選確実と いわれても、こちらは事情に疎いせいもありまして、どうしてそういうことになるのか ぴん…
昨晩にBS11で放送のありました「宮崎美子のすずらん本屋堂」2時間スペシャルを 見ておりました。ふだん、ほとんどチャンネルをあわせることのないBS11であります が、古本屋さんを東京と大阪の古本屋さんをまわるということで見ることにしたわけ です。 最…
先日に届いた「みすず」読書アンケート号を手にして、なかをぱらぱらと見たのです が、その翌日の朝刊には、鈴木博之さんが肺炎でなくなったとありました。 「みすず」アンケートの最初のページに、鈴木博之さん(建築史)のあげる5冊が掲載 されていました…
「みすず」表紙裏に掲載の小沢信男さんの連載「賛々語々」は43回となります。 今月は「発句」(?)は、次のものです。 初刷の刷りあやまりし表紙かな 万太郎 久保田万太郎さんのこの句は、俳誌「春燈」創刊号が出来たことをよんだものだ そうです。そして、…
月がかわって出版社のPR誌がひととおり手元に届きました。さらに今月はお楽しみの 「みすず」読書アンケート特集号もあります。 まず目についたのは、「波」2月号の小沢信男さんの文章です。新潮社からでた坪内 祐三さんの新刊についてのものでした。昭和の…
昨晩は、BSーTBSで放送のあった映画「駅 STATION」を最後まで見ることができま した。 当方がひいきにする今福将雄さんはほんとに登場するのかと心配をしましたが、 場面はすくないのですが、重要な場面ででて顔をみることができました。(やっぱり 録画すべ…
本日のこの時間に、BS−TBSで「駅 STAION」を放送しています。 「北の無人駅から」の著者である渡辺さんが中学生のころに見て、北海道大学に進学し ようと思わせた作品であり、本を書かせるにいたったものでありますからして、この タイミングでの放送を、見…
市町村合併によって日本全国で小さな村は姿を消しているようですが、村に住んで いた人たちは、そのまま同じところに住み続けていると思われます。村民が市民と なったからといって、なにがかわるでしょうか。 (その昔に、破綻しそうになった当時の相互銀行…
当方が白滝村というところを知ったのは、一時期TVでここにできたスキー場の広告を 大々的にやっていたからであります。スキー場の名称は北大雪スキー場というもので、 大雪というのは、大雪(おおゆき)ではなく、大雪山を思い浮かべさせるものでしょう。 渡…
「北の無人駅から」を話題にしていて、今福将雄さんで終わりというのは、いかがな ものかと思ってしまいました。それにしても、この本の著者 渡辺一史さんは、今福 さんのことをご存知であるから(または、映画を見て今福さんのことを認識していて) 食堂の…