異化する空間 5

 在原業平といえば、古来より美男子の代名詞のような存在であります。
女性でいえば小野小町でありまして、こちらのほうはいまも小町娘という言葉と
なっていますが、業平のほうは、東京で地名となっているのみで、業平から美男を
連想させるような慣用語はないのではないでしょうか。
 以前に佐竹本三十六歌仙を取り上げたドキュメントを見ていましたら、この
三十六歌仙の一枚を所蔵することは、日本の茶人にとっての夢であるというような
ことをいってましたです。登場したオーナー経営者は、自分の商売柄 在原業平
ものを入手したいと語っていたのですが、たしかその方は、自分は醸造酢を製造販売
していて、在原業平はオスの代表的存在だから欲しいということのようですが、
たしかミツカン酢のオーナーさんだったでしょう。
 検索をかけてみましたら在原業平は、湯木美術館所蔵とありました。こういう美術
館にはいりましたら、これから他に譲渡されることはないと思われますが、今年の
話題でいいますとこの作品など、根津美術館でもねらっていたのでしょうね。