今年も「海鳴り」

 今年も編集工房ノアから「海鳴り」を送っていただきました。
「海鳴り」24号は、2012年6月1日発行とあります。5月中旬には発送が始まったようで
あります。
 表紙は、庄野英二さんのデッサンとなっていて、裏表紙には杉山平一さんの「希望」
という詩集が掲載されています。この杉山さんの詩集は「第30回現代詩人賞受賞」され
たのですが、この「海鳴り」が当方の手元に届く頃にお亡くなりになりました。
 杉山平一さんのことは、ノアの「海鳴り」で名前だけは知っていたのですが、作品を
読んだこともなしで、今にいたっているのですが、今年にはいって朝日読書欄でとり
あげられていて、あらためて注目したのでした。
 毎号「海鳴り」で楽しみにしていますノア主人 涸沢さんによる文章は杉山平一さん
の新詩集とそれを読んだ81歳の女性からのお手紙紹介となっています。
この女性は、戦時中に杉山さんが経営していた工場に学徒動員でいっており、旋盤工と
して働いていたのだそうです。その当時女性は十四、五歳、お父上が社長を務める会社
で詩人は専務で、年齢は三十歳を超えたばかりでした。
 この会社は、結局経営に行き詰まって倒産するのですが、その経緯を「わが敗走」と
して刊行しています。(これも編集工房ノアからでした。)
 涸沢さんの文章からの引用です。
「 九十七歳の新詩集『希望』は、日本現代詩人会が設ける、現代詩人賞第30回を受賞
した。受賞のことばで杉山さんは『私の詩はヒューマニズムが基本に』あると述べてい
る。長く書きながら賞にはめぐまれなかった杉山さんの、六十八年ぶりの受賞であると
いう。」
 http://www.japan-poets-association.com/prize/koe/6830.html