今年も「海鳴り」 3

 「海鳴り」24号の表紙には、「希望 杉山平一」という文字があります。
これは、杉山平一さんの詩集のタイトルにもなった「希望」という詩が収録されたもので
あります。97歳の男性が世界の人々に対して、「とつぜん不意に 自分たちを 闇のな
かに放り込んでしまう事件に 負けるな」とエールを送ってくれています。
 負けるな 病気に、負けるな 加齢に、負けるな 貧しさに、負けるな 生きることの
辛さに 等々です。未来に希望があると信じて生きなくてはと、97歳の賢人は教えてく
れます。
「海鳴り」の涸沢さんの文章は、「希望」に収録の「詩」からとった帯に掲載のフレーズ
を紹介することで終わっています。

 あたたかいのは あなたのいのち あなたのこころ
  冷たい石も 冷たい人も あなたが あたたかくするのだ もうおそい ということ
 は人生にはないのだ 終わりはいつも はじまりである 
 人生にあるのは 
 いつも 今である
 今だ

「もうおそい ということは 人生にはないのだ 」というのを見ますと97歳になって
もですかと問いかけをしたくなります。もちろんだともという答えがかえってくるので
しょう。杉山さんよりもはるかに若い当方は、これを眼にして、「年だから」とか
「手遅れ」なんてことを口にするのはよそうと思ったのであります。