今年のことなど

 いつもは、マイナーな作家などを話題にしているのですが、昨日にはテレビドラマ
の話題で、主人公を演じたジャニーズ系のタレントさんの名前を記しましたら、
いつもよりずっとたずねてくれる方が多かったようです。恐るべし、ジャニーズ系で
あります。それにしてもファンの皆様は熱心にチェックをしていることです。
 今年はどういう年であったかというと、やはり震災とそれからの原発事故でありま
しょう。過去の関西大震災の発生は1995年でありますが、95年というとウィンドウズ
が製品名に使っていて、そちらのほうはすり込まれているのですが、関西大震災が同じ
年の出来事であるというのは、頭からとんでいました。
 これからあと、自分の中で、今年はどのような記憶に残るのでありましょう。還暦を
迎えたのが、二月のことで、それからほぼ一月後に震災で、それからまもなく定年退職
となったのは、忘れることはないでしょう。
 このあと忘れるかもしれませんが、けっこう大きなことといいますと、いきつけの
本屋に岩波文庫の新刊が入荷しなくなったということがあります。市内で一番大きな
店ではないのですが、岩波文庫の新刊が入荷する唯一の店で、たいていの場合、
新刊は、ここで購入することとしておりました。数年前までは、見えざるライバルの
方がいらして、こちらがねらっているものを、一瞬早く購入されてしまい、こちらは
入手できずということがありましたが、その方はどちらかに転勤でもなされたか、
いついっても岩波文庫の新刊は売れている心配はなくなりました。こんなんでいいの
かと思っていましたら、この夏過ぎから、店内のレイアウトなどを変えたのにあわせ
て、岩波文庫の棚にも異変を感じるようになりました。
 岩波文庫 プルーストの「失われた時」は、今年にでた巻は、いまだに入手するこ
とができておらず、読むことができないのですから、まあゆっくりでもいいので
ありますが、さびしいことであります。
 今年の一月には、ここでホッケの「迷宮としての美術」を購入したのですが、
あれの高山宏さんの解説は、インパクトがありましたね。これを購入できたのも、
いきつけの本屋で、立ち見して解説を読むことができたからでありまして、ネット
では解説までのぞくことができませんですからね。