本をつくる人3

 昨日に「明るさの神秘」宇佐見英治さんの文章を引用してた時に、小平林檎園の
主人のお名前を、遠慮して姓のみ記して、名を略したのであります。その作業を
終えてから、小平林檎園のご主人について検索をかけておりましたら、ご主人の
小平範男さんは04年になくなったとありました。何年か企画をあたためてから、
宇佐見英治さんの著書をだして、それから8年ほどでなくなったのですね。
なんともいたわしいことであります。
 「明るさの神秘」のあとがきで宇佐見さんは、「友人たちのおかげで立派な本に
なりそうだ。」と書いていますが、小平林檎園版をお手伝いしたのは、みすず書房
小尾俊人」さんでありました。小平林檎園版のほうが、みすず書房版よりもみすず
らしいといえるかもしれません。
 小平版とみすず版の違いをすこし記してみます。
 版型は同じです。表紙カバーは小平版は、裏面にも表紙と同じような絵がはいって
います。背文字は宇佐見さんによる書き文字。表紙はクロス装となっています。
扉にも装幀を担当の柚木沙弥郎さんの絵がはいっています。本文用紙は、小平版の
ほうがすこし黄色が強いようです。
 小平版のほうは、箱入りとなっています。箱と言ってもダストケースという感じで
印刷はまったくなしで、銀色の帯がまかれています。値段は、この帯にだけありまして
頒価3000円とあります。
 当方が入手した小平版には、付録の栞がはいっていませんでした。この付録の栞は
みすず版には、巻末に再録されているのですが、やはり現物がなくて残念でありました。

明るさの神秘

明るさの神秘