今朝はえらく早くに目がさめたものですから、ふとんのなかでしばし本を
読むことにです。このところ読みついでいるハン・ガンさんの「別れを告げない」
となります。
この小説は三部構成でありますが、第一部が150ページと一番長くて、この
導入のところで、小説の世界に入っていくことができるかどうかがきまります。
なんとか、この作品の主人公とその相棒である女性の関係なども頭に入って
きて、主人公は相棒の居住地である済州島へと訪れることになって、韓国の
陸地からみた済州島の印象なども書かれています。
主人公の相棒さんは、カメラマンでドキュメンタリーを制作しているのです
が、その相棒が撮影した映像のなかに、次のようなくだりがありです。
「三万人でした。日差しの入る白壁に寄りかかって、インソンは膝を立てて
座っていた。カメラは彼女の顔ではなく一方の肩と膝をとらえており、画面の
ほとんどは白壁が占めていた。・・・
台湾でも三万人、沖縄では十二万人が殺害されたそうです。
インソンの声はいつものように落ち着いていた。
それらの数字について考えることがあります。そこがすべて、孤立した島
だったということについても。」
まさかこのようなところで、沖縄のことがでてくるとは思わなかったことです。
済州島というのは、沖縄の置かれている立場に近いのではと思っておりまし
たが、ハン・ガンさんは、これに台湾を加えて、「孤立した島」と呼んでいます。
戦中から戦後にかけて、この島で多くの人が亡くなっているということは、
意外に知られていないのですが、アジアの作家ハン・ガンさんはそのことを
指摘しています。
