京都カフェ散歩3

 当方が京都に住んでいたころには、カフェなんてしゃらくさいいい方は
しなかったですね。40年も前のことでありますから、喫茶店またはさてんと
いうのが一般的ないい方であったでしょう。いまでもそれはかわらないか。
最近のお若い方は、カフェしないなんていうのでしょうか。
 昔の京都の喫茶店で印象に残っているところはどこでしょう。
いしいひさいちさんの「バイトくん」シリーズを見ていても喫茶店でコーヒーを
飲むなんてシーンはほとんど目につきませんが、喫茶店というのはカレー、
チャーハンなどを食べて、コーヒーを飲むか、ジャズを聞きながらコーヒーを
飲むというところで、純喫茶というの敷居が高かったようです。
 金のない学生たちが、思い切っていってみようということで、ドアをあけたのは、
寺町三条あたりにあった喫茶店で、たしかあれは「はなふさ」であったと思うので
ありますが、いまは確認のしようがありません。ネットで「はなふさ」をひきます
と伝説の店が復活というようなことでみることができましたが、いまの「はなふさ」
の元となった店でしょうか。(ここでコーヒーをいれていた髪の短い男性の顔が
思い浮かぶのですが。)
 寺町を御池から三条にむかってさがってきますと、一保堂とか鳩居堂とかが
あって、三月書房があるのですが、そこから、もうすこし下がったところでしょうか。
当方を案内してくれた知人は、この店でのおすすめは「ウィンナコーヒー』で
あるといって、それを飲んだような記憶がありますが、当方の記憶違いでしょうか。
 当時、コーヒーといえばインスタントコーヒーが中心で、豆を購入して自宅で
落とすなんてことは、一般的ではありませんでした。そうした時に自家焙煎した
コーヒーを学生にも購入できる値段で販売していたのが「出町輸入食品」でありまし
て、その店の前をとおると良いかおりに包まれたものです。ちょうどカリタの
ペーパードリップができていまして、この店とカリタのおかげで、気楽に美味しい
コーヒーを飲むことを覚えたのであります。
「輸入食品」はいまでも商売を継続していまして、ますます繁盛なのはめでたい
ことですが、数年前にこの店に立ち寄って、自分用に購入したのですが、かっての
ように感激しなかったのは、自家焙煎の良店が増えたからでありましょうか。