本の雑誌 3月号 3

 当方のブログでは、これまでも装丁についてを話題としていますので、杉浦康平
さんのデザインについても言及しておりました。
 何といっても60年代後半からの20年ほどは杉浦康平の時代でありましたからね。
拙ブログでどのようなことを話題にしているのかと、いまほどブログ内を杉浦康平
さんのキーワードで検索をかけてみましたが、講談社新書のデザイン変更のことも
記されていました。
本の雑誌」3月号にある「この装丁がすきだ」という読者からの投稿が掲載されて
いるのですが、これに登場する本は7冊で、このなかにも杉浦康平さんの装丁本が
あがっていました。(それにしても、この投稿者の年齢を見てびっくり最年少は
50歳であります。「本の雑誌」の読者は高齢化しているな。)
 ほかにあがっているのは間村俊一さん2冊、和田誠さん1冊、増子由美さん1冊で
四国のデザイナー梅原真さんのもの、そして芦澤泰偉+児崎雅淑さんのものであり
ました。
 当方は、この問にたいして何をあげるでしょうか。
 田村義也さん、杉浦康平さん、平野甲賀さんという人たちを除いて選ぶとすれば
であります。
 上にあげた人たちよりも世代的に上の方といえば、原弘さんがいらして、その方
林達夫著作集というのは、装丁の王道をいくものでありまして、瀟洒なデザインは
いまみても美しい。
 限定本になりますが「馬淵美意子のすべて」という本があります。これは詩人の
馬淵さんが亡くなってから、ご主人の庫田叕さんが編んだものですが、この造本を
すごいのですよ。限定本でごく限られた人しか入手できなかったこの本が、最近は
市場にでていて、ほんと気の毒なくらい安く入手可能です。(いまほど見ましたら
三千円ほどです。)
 馬淵美意子さんのことを知るには、これが一番でありまして、彼女の詩集は値段
が高いはずですので、これはぜったいにおすすめです。

馬淵美意子のすべて (1971年)

馬淵美意子のすべて (1971年)