北の無人駅から 10

 市町村合併によって日本全国で小さな村は姿を消しているようですが、村に住んで
いた人たちは、そのまま同じところに住み続けていると思われます。村民が市民と
なったからといって、なにがかわるでしょうか。
(その昔に、破綻しそうになった当時の相互銀行が、都市銀行に救済されて吸収されま
した。相互銀行に勤めていた女子行員たちは、これで結婚するときには都市銀行の社員
として嫁にいけると喜んだとか聞いたことがありますが、男子行員にとっては、そんな
ハッピーな話ではなかったでしょう。)
 いつ頃からか、日本の人口は大都市圏だけがべらぼうに増えるようになっています。
具体的なデータを持っているわけではないのですが、北海道においても、札幌圏のみ
が人口が増え続けて、北海道全体の人口4割くらいが住むことになっています。
 これまた昔であれば、都会というところは仕事をするところであって、年をとって
仕事を退職したら、田舎にうつるという選択肢があったのですが、最近は田舎が疲弊
しているせいもあって、年をとって退職しても都会に住みたいとなるようです。 
 しかし都会で暮らすほうがずっと金がかかるのですよね。なによりも居住にかかる
費用が大きいことです。住宅の心配をしなくてもよろしい人はいいでしょうが。
 本日の朝日新聞には「都外施設」についての記事がでていました。都内に作ることが
できず、やむなく近県に施設をつくっているのですが、これなども過度の集中の結果で
ありましょう。
 昔は、田舎に住んでいればなんとかごはんにありつくにはなんとかなったようですが、
いまでは、都会にでなくてはごはんにありつくことはできず、契約、派遣社員として
仕事をしても、老後の展望は開けず、どこかでつまると都外施設というのでは、ひきこ
もりの若い人たちが増えるはずであります。