北の無人駅から 9

 当方が白滝村というところを知ったのは、一時期TVでここにできたスキー場の広告を
大々的にやっていたからであります。スキー場の名称は北大雪スキー場というもので、
大雪というのは、大雪(おおゆき)ではなく、大雪山を思い浮かべさせるものでしょう。
 渡辺さんの本では、このスキー場がいまは閉鎖されているように書かれています。
「昭和初期に開設した『国設天狗岳スキー場』を前進とし、昭和54(1979)年にオープ
ンした北大雪スキー場である。『シルキースノー」と呼ばれる雪質のよさはニセコ
超えるともいわれ、全国どこよりも早い11月からオープンし、5月まで滑れるロング
ランスキー場としても知られていた。
 しかしバブル崩壊とともに、日本のスキー人口の右肩下がりには歯止めがかからず、
平成12(2000)年に営業を休止して以来、本格的な再開の目途が立っていない。
(平成18〜20年は一時的に再開)」
 白滝村は、2005年に飲み込まれるようにして消えてしまいました。
 ちなみに平成の市町村合併によって、北海道では30ほどの市町村が姿を消しました。
本当はもっとたくさんの市町村を合併させたいと思ったようですが、飲み込まれること
になる町や村が意地をみせて、合併を蹴飛ばしました。
 ちなみに北海道で合併することなく残った村というのは15村だそうです。
あ► 赤井川村
お► 音威子府村
か► 神恵内村
さ► 更別村‎  ► 猿払村‎
し► 島牧村‎  ► 占冠村‎  ► 初山別村‎  ► 新篠津村
つ► 鶴居村
と► 泊村‎
な► 中札内村
に► 西興部村
ま► 真狩村
る► 留寿都村
 この15の村の名前を正しく読むことが出来る人はどのくらいいるでしょうか。たぶ
ん、ほとんどの村には鉄道がはしっていないはずです。音威子府というのは、人口が
少ないのですが、ノルディックスキーの距離競技に力をいれていて、今月に開催の
冬のオリンピックに選手をおくっているはずです。(音威子府は、開高健さんの小説
 青い月曜日の書き出しの言葉であります。どうしてそれが最初の一行にあるかは、
この小説を手にすればすぐにわかります。)
 この上にある村で、名前が有名なのはスキーリゾートとして売り出したところとか、
有名な歌手が出身したところでしょう。最近一番耳にするのは、原発の所在地となって
いる泊村ですが、ここの村にとっては発電所は打出の小槌でありまして、いまさら、
発電中止となると、ここの村は危機に陥るということになりです。
 それにしても、これらの村が合併しなくともやっていけると判断されたのは、どうい
うわけでありましょう。一番は、村の財政が豊かであるということになりますでしょう
が、近隣の市町にとってほとんど魅力を感じないがために合併で飲み込まれることが
なかったなんてところもあるのかもしれません。