月の初めに

 月がかわって出版社のPR誌がひととおり手元に届きました。さらに今月はお楽しみの
「みすず」読書アンケート特集号もあります。
 まず目についたのは、「波」2月号の小沢信男さんの文章です。新潮社からでた坪内
祐三さんの新刊についてのものでした。

昭和の子供だ君たちも

昭和の子供だ君たちも

 小沢さんは1927(昭和2)年生まれであります。この本を紹介する「タイムマシン
昭和号」という文章では、次のように書いています。
「ものごころついてより昭和の子供だ僕たちは、という気分で生きてきたが。いまや
八十代から二十代まで、成人の殆どがぜーんぶ昭和の子供なんですなあ。
 いまさらのことに次々気づく。私は昭和二年生まれで右の大群のトップの世代です。」
 昭和は64年続いたわけでありますから、当方は昭和中期の生まれということになりま
す。
 小沢さんにいわせると「後続の世代では、戦後生まれの団塊の連中がいちばん元気で
ウマが合うようだと、一まとめに眺めてきた。当事者にしてみれば団塊度も年ごとに
違うし、ご当人たちには痛切な自明な違いが、やはりあったのですなあ。」ということに
なるのですが、まったくそのとおりでして、団塊の世代は同学年が多いので、けっこう
競争がきびしくて、しかも上下の学年とも競わなくてはいけませんでした。当方の学年
は、仕事についてからでも、一つ上の学年には負けないぞでありました。
 坪内さんの本で、当方の世代は、どのように書かれているのでありましょう。
 本日手にした「みすず」読書アンケートでは、この坪内さんの本をすべりこみであげて
いる方がいました。それは、今江祥智さんでありました。