小沢信男著作 247

 小沢信男さんの「東京骨灰紀行」は、矢幡英文さんの写真を使って、間村俊一さんが
装丁をしています。表紙カバーは東京の俯瞰写真ですが、これはどのあたりからの
写真でしょうか。見る人が見ましたら、すぐにわかるのでしょうが、当方は東京の新しい
高層ビルには不案内でありますので、さっぱりです。遠くに写っている高層ビルの上層階
はアパートになっているようですが、そこは生活のにおいがなく、眼下にあるごちゃ
ごちゃとしたあたりからは、人々のくらしが見えてきそうです。
とここまで書いて、この本のあとがきを見てみましたら、小沢さんは、次のように書いて
いました。
「矢幡英文氏の写真が、聖路加タワービルからの俯瞰と思うが、こんにちの東京のふしぎ
さを捉えている。さらに間村俊一氏の装丁のあざやかさと、あらたな道連れがつぎつぎに
できる。これでオシマイなのに。そして読者こそは共同制作の最終ランナーでしょう。」
 聖路加タワーに展望室というのがあって、そこから撮影をしたものが、ネットで見つか
りました。たしかに写っている建物は、同じなのですが、こちらは風景写真という感じで
ありまして、「東京の不思議さ」は感じられません。
http://www.panoramio.com/photo/12063149
 聖路加タワーからの俯瞰写真が表紙に採用されているは、これに「つくづく築地」と」
いう文章があるからでしょうね。そうなると、裏表紙カバーに採用されている
「鯉がおよいでいる日本庭園」についても小沢さんの本文にあるところで」しょうか。