本日の拾い読み 4

「karenaina77」様から「世界教養全集」は懐かしいと、書き込みをいただきました。
 当方は団塊の世代の最後尾に位置します。父は家貧しくて向学心旺盛であったが
おもうように進学できず、苦学して学校を卒業し、職についたのであります。理想
としたのは旧制高校的な教養主義でしょうが、そうした生真面目な父親には反発を
感じたものです。昨日に記した「世界教養全集」に収録されているタイトルは、父の
書架にあったものがあり、転記しながら、06年に亡くなった父のことを思い起こして
おりました。(1920年生まれですから、健在であれば90歳ですか。) 
 当方がもっているただ一冊の「世界教養全集」は622ページですが、うち600ページ
は二段組で、いまの基準でいくと活字はとんでもなく小さくて、ページを開くと
真っ黒に感じます。このころは、これでもまったく違和感がなかったのですね。
筑摩日本文学全集とかが、三段組で刊行されたりした時代であります。あの三段組
というのは、読んでも読んでもページが進まない印象があって、まったく苦手で
ありました。
 中央公論社からの「世界の名著」というのは、66年くらいに刊行開始されたもの
ですが、このシリーズは、その後、中公文庫に収録されるものもあって、こうして
容易に読めるのも、「世界の名著」のおかげと思ったものですが、最近では、文庫
本のほうが古本の値段が高くて、元版のほうが百五円で売られているのでは心配
してしまいます。