2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

石井桃子 祝百歳記念2

昨日に新聞には石井桃子100歳記念フェアが開催されるという 「福音館書店」の広告がありまして、その広告には岩波書店と福音館の 合同企画とありました。合同というわりには、福音館書店の本の広告しか ないのに、はてなと思ったのですが、これは他紙に岩…

石井桃子さんは百歳に

昨日まで長寿の文化人について話題にしていました。 本日の朝日新聞朝刊を見ましたら「石井桃子さんは百歳」と ありました。長寿の文筆家については検索をかけたら情報を 入手できるのかもしれませんが、このような大物が健在で あったとはです。 ほとんど文…

高杉一郎とピアス

先日のブログで吉田秀和さんにふれたときに93歳という 年齢を記したことがありますが、本日の朝日夕刊「トムは 真夜中の庭で」の作者フィリッパピアスの追悼文のなかに、 この作品の翻訳者である高杉一郎さんのことばをひいて、 高杉さんが98歳になると…

季刊湯川について

そのむかしのこだわりの出版社は、PRをかねて冊子をだして いたものです。リトルマガジンとよびたい格調の高いものがあったの ですが、最近はそうしたPRがネットに移行しているようで、活字 好きにはちょっと残念なことです。 77年から79年にかけて…

暮らしの手帖編集長

「暮らしの手帖」というと花森安治編集長の、強烈な個性で なりたっていた感があります。小生がはじめて手にしたのは まだ花森編集長が健在のときでありました。広告に依存しない 方針で、商品テストを実施して値段に惑わされず、本当に 良いものを購入する…

小説家としてよりも

小林信彦さんは、もともと純文学作家を目指していたのですが、 作品がなかなか評価されずで、ミステリー雑誌の編集者、テレビ 番組の企画などで名前をあげてしまって、本来の純文学路線にたどり ついたのは、ずいぶんと後になってのことのようです。 このブ…

週末は本を探そう

日々更新を行っておりますが、一月ちょっと続けておりますと 題材さがしに苦労するようになっています。帰宅してから夕刊を みたり、ネットを見たりしてねたさがしをするのですが、仕事 などで煮詰まっていると、さっぱりアイディアがでてきません。 そのよ…

ソロモンの歌

昨日の朝日新聞夕刊に吉田秀和さんの「文化勲章受賞を お祝いする会」が都内のホテルであって、会の終わりに吉田さんが ユーモアたっぷりにあいさつしたとありました。 吉田さんは93歳となったとありましたが、この時代で最年長の 文筆家というのは、だれ…

井上ひさし「紙屋町さくらホテル」

先日に井上ひさしさんの「紙屋町さくらホテル」の芝居上演が ありまして、この作品を見物してきました。 この作品は、新国立劇場開場記念として97年10月に中劇場の ために書かれたものですが、10年目にして何回目かの再演となり ます。 この初演のとき…

長田弘と晶文社

本日、手元に届いた「本の雑誌」3月号の津野海太郎の 「サブカルチュア創世記」を見ましたら、70年代の晶文社の 「ベンヤミン著作集」「パベーゼ全集」「晶文選書」などは 長田弘の企画とありました。美術出版社を退社した長田弘が、 身をよせたのは晶文…

先生とわたし3(アーレントとハイデガー)

このところ手にしている本には、ユダヤ人に関するものが多くなって いるようです。次のようなものであります。 ・アーレントとハイデガー みすず ・占領下パリの思想家たち 平凡社ライブラリー ・暗い時代の人々 ちくま学芸文庫 ・啓蒙の弁証法 岩波文庫 ・…

諫早つながり

諫早とききますと、最近では高校女子駅伝のチームが有名でありますが、 その諫早高校出身者には、小生好みの文学関係者がいるのでありました。 それは、野呂邦暢(小説家)であり、市川森一でした。(一番の大物は、 伊東静雄であるのでしょう。) シナリオ…

戦後の大編集者

戦後の大編集者と聞いて誰のことを思い浮かべるでしょうか。 なんとなく、大編集者というと文芸関係でありましたら菊池寛の 流れのような文壇政治と若い作家たちへのスポンサーといった イメージをもたれるかもしれません。、 小生が、これで思い浮かべる人…

出版社の狂い咲き

詩の本を中心に出版を続けて数十年となる思潮社のような版元が ある一方で、何をおもったか、それまでまったく畑違いの出版を 行っていたのに、ある日突然文芸出版に目覚めたかのように、格調 高い出版に手をそめるということがあります。 たいての場合は、…

私家版「俺様の宝石さ」

先日にみたバイク映画「インディアン」の時代は、日本のモーター スポーツにとっては創世記ともいえる時代でありました。日本製の スポーツカーが、ドイツ車とバトルをしたというのが大きな話題で あったのです。そのころのヒーローというのは、絵描きさんの…

本を作る人

「読む人・書く人・作る人」というのは、岩波の雑誌「図書」の 冒頭を飾るコラムのタイトルです。このタイトルのうまいのは、 本に関心のある人は、必ずやこのどれかに分類されることです。 そのむかしは、書いたとしても人の目にふれるようにするには ずい…

マッハ三四郎を思い出す。

今週のNHKBSではアカデミー賞の受賞作品をやっております。 先日は、小生がひいきにしているジュリエットビノッシュが助演した 「英国人の患者」をやっていまして、これはDVDに録画をしたので あります。世界史の知識がなくてはいけないものでして、 た…

休憩時間に読んでいた本

本日は地元高校吹奏楽部の定期演奏会(卒業公演)を見物に いってきました。一日2回公演ですが1600席 が各回ともに 満席になるという人気イベントです。当方も、高校生の元気を もらいにきた中高年のファンの一人でした。 本日のコンサートの休憩時間に…

先生とわたし2(由良君美)

本日に「新潮」3月号を手にすることができました。 このまちには雑誌は何日か遅れで入荷します。新聞広告で みてから、店頭にならぶまで雑誌で3日ほどかかります。 週刊誌もどうようでして、東京では水曜日というのが、 こちらでは金曜日にならぶというぐ…

堀江敏幸さんのこと

これまで一月くらいブログをつづけていて、小生が ひいきにしている作家はちらっとでも名前をあげたのですが、 これまで登場していなかった人に堀江敏幸さんがいます。 堀江さんのことは、安原顕の仕事で知るにいたりました。 書評の名手であるとおもいまし…

正しい本 (スガレ追い)

先日に紙箱を作っている作業所の方とお話をする機会が ありました。和菓子やさんにとって、紙箱というのは必要 不可欠な物であるのですが、この紙箱というのは、ほとんど 手作りとなることから手間がかかり、需要が伸びないせいも あって非常にやっかいな存…

先生とわたし (由良君美について)

本日の朝刊はずらっと文芸誌の広告がならんでいました。 右から「新潮」「すばる」「群像」「文学界」ですが、その昔は、 ここに「海」がありました。「文芸」はならんでいたことがなかった ろうか。中央公論社が「海」を廃刊してからも、この広告枠は 手放…

生みの苦しみ(柏原兵三)

柏原兵三という小説家がいまして、いまではすっかり忘れ 去られた存在になっているのではないでしょうか。検索をかけ ましたら藤子不二雄のマンガ「長い道」の原作者としてでて きます。彼の芥川賞受賞作である「徳山道助の帰郷」という 作品は古本でめちゃ…

古本目録が届いた。

夜に帰宅をしましたら古本のカタログが届いていました。 最近は、ネット書店で購入することが多くなって、あまり 古書目録には食指が動かないのですが、500ページを 超えて全部で21500冊も掲載されていると書名が ずらっとならんでいるのをみるだけ…

二十歳にして心朽ちたり

とんでもなく早熟で神童とよばれた人が、成人になってからを どのように過ごすのかが気になるところです。 二十歳くらいで亡くなったり、活動をやめてしまった人は 伝説の存在となりますが、同じ路線でやっていますと、過去の 栄光が重くて、少々の結果をの…

手紙の人

昔の文学者の個人全集には、書簡集というのがあったように 思います。とにかく、断簡零墨をあつめて全集を編みましたと いうのが売りの時代には、書簡だけで一冊というのも珍しくは なかったですからして。 本日のタイトルにした「手紙の人」というのは、か…

06年みすず読書アンケート

本日は、ちょっとおそい新年会でありまして、よっぱらって 帰宅したせいもあってブログの更新は難しいとおもっており ました。 よくしたもので、そういうときには助け船があらわれるもの であります。 06年読書アンケートを特集していた「みすず」07年1…

信時潔と活字印刷

長く本を買い集めているうちに、本を書いた人が好きなのか、 書かれた内容が好きなのか、それとも物としての本が好きなのか、 わからなくなってきます。 読みもしないし、置き場所にも困っているというのに、本を買って しまうというのは、着物道楽に通じる…