石井桃子さんは百歳に

 昨日まで長寿の文化人について話題にしていました。
本日の朝日新聞朝刊を見ましたら「石井桃子さんは百歳」と
ありました。長寿の文筆家については検索をかけたら情報を
入手できるのかもしれませんが、このような大物が健在で
あったとはです。
 ほとんど文化功労者になってもいいくらいの業績であり
まして、ほとんど一家に一冊は、石井桃子さんのかかわった
ものがあるといってもいいでしょう。石井さんの一番初期の
作品「くまのプーさん」が1940年とありますので、親から
こども、そして孫の三代にわたって親しんだ家族もあります
でしょう。
 小生のところにも「ちいさいおうち」「ブルーナの絵本」
「むぎと王さま」なんて翻訳シリーズが残っています。

 本日の新聞では松岡享子さんがおすすめの10冊という
のがのっていましたが、10冊えらぶのに、翻訳絵本、
翻訳のお話、石井さんの作品という3ジャンルにわけて
います。これでいきますと、小生が一番なじみのないのは
石井さんの作品ということになりまして、これは石井さんには
お気の毒かもしれません。「ノンちゃん雲にの乗る」は、
小生が子供のころに映画になって、鰐淵晴子かが主演をした
はずです。(これもネットで検索をかけましたら、すぐに
わかりますが、あえて記憶にたよって、確認もせずに記して
おくことにしましょう。)

 石井桃子さんの役割で見逃せないのは児童文学の編集者と
してのものですが、本日の新聞の松岡享子さんはさらっとしか
かいてありません。
たしか、井伏鱒二訳となっている「ドリトル先生」シリーズは
下訳を石井さんが担当して、いわば共訳ともいうものであったと
記憶しています。「おしつおされつ」なんていうのは、いかにも
井伏流であると思いますが、あれの全部を井伏さんがやったとは
だれも思いませんよね。
 よく考えると、とんでもなくすごい人であったと思います。
企画して、作品を翻訳して、著作して、本を制作して、図書館
まで運営してしまうのですから。
 たぶん、石井さんの文庫にきていた女の子が、石井さんに
いったとかいうエピソードで、小生の記憶に残っているもので
好きなもの。
 「 先生、この本は先生が書いたの。」
 「 そうよ。」
 「 きれいな字ね。」

 これは岩波の子供向けの本のPR冊子にでもあったように
思いますが、これも記憶に頼っておりまして、はっきりとどこと
いえないのでした。
( この逸話は、松岡享子さんが書いていたことのように思います。
 どうも、石井桃子さんの話としては年代があわないように思い
 ます。)