雨降りだからではなく

 本日は朝から雨降となりです。雨降りだからパンを焼こうではなくて、

毎週月曜日は、その週に食するパンをまとめ焼きすることになりです。

大阪産のぶどう「デラウェア」を発酵させた酵母液と二年前に賞味期限が

切れたドライイースを使ってのパン作りです。

天然酵母パンは発酵に時間がかかりますので昨晩に仕込んでおいて、本日

午前に成型と二次発酵して焼くことになりです。イーストではフランスパン

生地のものを作って焼いてみました。

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 相変わらずで愛想のないじいじパンであります。型に入れて焼いたのは、

酵母パンで、ぶどうのデラウェア種となります。ぶどう360グラムを保存瓶に

いれて、そこに540CCほどのぬるま湯と砂糖を加え、5日くらいで酵母液が

できます。

 生のぶどうは良い酵母ができるので使うのですが、こうしてできた酵母液か

らは、だいたい二斤のパンが五本作れます。ということは、えらく高コストの

パンで、こんなパンはどこにも売っていないので、だから自分で作るという

ことになります。

 本日の材料は、バター(NZのグラスフェット)以外は国産でありまして、

ほんと贅沢だねといいながら、朝食の時に食することになりです。

 雨のために、本日は散歩はお休みで、図書館から借りている笙野頼子さんの

「会いに行って」を読むことになりです。

 読んで面白いのですが、うまく頭に入らないという小説でありまして、頭に

残るのは本筋とは関係ない余談のところばかりで、たとえば次のようなところ。

「彼(藤枝静男)が亡くなってすぐ、私は三島賞芥川賞を続けて受けた。

芥川賞の授賞式で『あんな師匠(藤枝のこと)なんか認めてはダメよ』と

(例の、)偉い女性作家が人の見ている前で私に大声で言った。つまり私小説

を嫌っていた。しかし彼女が生きている間に私は難病と判明し、その体験を描

いた私小説で、彼女が絶対私に取らせたくないと思っていたはずの野間賞を受

けた。」

 ほとんど、この作品の終わりのところにおかれたくだりですが、「(例の、)

偉い女性作家」とあるというのは、本文中のどこかに「(例の、)」に呼応

するところがあるのでしょうが、そこをスルーしていて、これは頭に戻って

「偉い女性作家」の手がかりを探してみなくてはです。

 ということで、この作品は読んで面白いのですが、なかなかわかったぞという

気分にはならぬものであります。

笙野さんが、この本で取り上げている藤枝さんの「志賀直哉天皇中野重治

については、坪内祐三さんが「文庫本宝船」でも取り上げていて、これはどこ

かでのぞいてみなくては行けないことであり。

志賀直哉・天皇・中野重治 (講談社文芸文庫)