本日は野暮用はお休みでありまして、午前にうとうととしておりましたら、
「緑のゆうメールがポストに落ちたわ」でありまして、雨は降っておりませんの
で、濡れている心配はなしで、ゆっくりと取りに行くことにです。
届いていましたのは新潮社「波」11月号でありました。
さて、今月はめぼしい新刊はあるかなと、後ろのほうからチェックすることに
です。
11月には文庫では山本文緒さんの「自転しながら公転する」がありました。
亡くなって一年になるのですね。最近に新刊がでて、これはとってもつらくて
読むことができないという声があがっていますが、当方は残念ながら山本さんの
作品は読んだことがありませんで、その人となりについても。NHKの朝の番組に
でていて話されているのを見て知ったくらいでありました。そうか、重いうつか
ら抜け出すことができて、やっと作家活動も波にのってきたところで亡くなった
ということは、同世代のファンたちにはショック大きいことだったでしょう。
遅ればせではありますが、今回の文庫化にあわせて、この作品を読んでみるこ
とにいたしましょう。
うしろからページをチェックした次は「編集後記」でありまして、今月の話題
は「油揚げ、凄い人気」ということで、最近にでた油揚げ本のことから、子供心を
刺激した「油揚げ界のツートップ(きつねうどんと稲荷寿司)」に話題を転じて
いき、最後は「だれか油揚げ文学の名作撰を編んでくれませんか」と終わります。
油揚げ文学なんて、そんなにあるのか、稲荷寿司でもきつねうどんでも、何か
思いつくものはあるだろうか。
特別寄稿とある末盛千恵子さんの「あのほほえみ」という文章は、今年4月9日
に急逝した息子さんに寄せる文章です。
たぶん岩手で末盛さんと一緒にお暮しであった息子さんは、障害をお持ちでし
たが、亡くなったときは47才ということですから、最初の夫(今回の息子さん
の父親)に続いて、息子さんを失うということになりです。
どこかで区切りをつけなくてはということで、今回の文章になりましたが、こ
れは次号につづくとなっておりまして、今回はさーっと読んでおいて、次号が
届きましたら、また頭から読んでみなくてはです。
末盛さんのエッセイページのタイトルの下には、船越保武さんによる横顔の
少年の画が入っていて、ちょっと涙を誘うことであります。