本日はクリスマスですが、届いたのはプレゼントならぬ「ちくま」1月号で
ありました。これはうれしいなでありますが、毎月楽しみにしている斎藤真理
子さんの連載「読んで出会ったすごい人」は、都合により中止しますとありま
した。ちょっと残念。
斎藤さんは、このところめっちゃ忙しいだろうから、こういうこともありますで
しょうよ。それもこれも韓国文学が注目を浴びて、ハン・ガンさんがノーベル
文学賞を受けたことが影響しているので、めでたいことです。
そんなことを思いながら「ちくま」を見ていましたら、小倉紀蔵という方が、
「文明とその暴力をどう記述するか」という文章を書いていました。その中に
次のくだりがありです。
「わたし個人の思いをいうと、韓国のハン・ガンが女性でアジア初のノーベル
文学賞をとったというなら、むしろ石牟礼道子がその位置にいるべきだった。」
当方はいまだに「苦海浄土」を読んでいないのでありますから、なんとも
いいようないところがありますが、これと同様のことを思っている識者はそこ
そこいるのではないかと思いましたです。
池澤夏樹さんが編集した河出の日本の文学での扱いは、そのようになって
いましたですからね。
上に引用した文章をはさんだ部分を引用してみます。
「石牟礼といえばもちろん、だれもが批判できない一種聖域のような高みに
座する作家であり思想家である。彼女へ寄せられる賛辞は尽きることなく、
その不屈のたましいは死後なお高く飛翔している。・・・
ハン・ガンを過小評価しているのではない。『女性・アジア・痛み・政治社会
問題』というのがハン・ガン文学のキイワードであるなら、『女性・アジア・痛み・
政治社会問題・そして地球環境問題』を語った石牟礼のほうが、あきらかに
大きな規模を持っているからだ。」
ハン・ガンが海外で評価を受けるようになったのは、韓国政府が自国の文学
を積極的に外国で読まれるよう支援をしたことが知られていますが、さて、わが
国の状況はどうでありましょう。(支援があるのは承知していますが。)
小倉さんの本は「比較文明学の50人」というもので、このなかに石牟礼さん
がいます。
「文明とはなんなのか。その悪を暴くとは一体どのような行為なのか。石牟礼
のことばから、きめ細かく読み解いていくべきだ。」
これは図書館に入ったらのぞいてみることにいたしましょう。

