「本の雑誌」4月号が、本日届きました。今月は西村賢太さんが亡くなった
ために、「一私小説書きの日乗」の掲載されない初めての号となります。
あまりにも急すぎる亡くなり方であったことから、編集後記にすこし言及され
ているほか、読者投稿欄「三角窓口」にお二人の方の追悼文が取り上げられて
いるのみで、本格的な追悼特集は、来月以降になるのでしょうか。
今月号の「黒い昼食会」(業界事情通の5人の鼎談)では、作家が亡くなっ
たことでの増刷が話題となっています。
最近の例としては都知事でもあった作家さんの場合ですが、「幻冬舎の配本
数が異常に多い」とありました。この作家さんのものを、そんなに増刷して
売れるのでありましょうか。
それと比べて西村賢太さんの場合については、次のように書かれていました。
(複数人の発言をつなげています。)
「その一方で西村賢太さんの本は各社品切だらけでさ。版元に電話しても『もう
ないです』っていわれるし、ちゃんと受け付けてくれたのは『苦役列車』くらい
ですかね。『暗渠の宿』も未定だし。」
そうなんですよね。西村賢太さんは、ずいぶんとたくさん本を出していること
になっているのですが、亡くなっても書店が賑やかになるということはほとんど
ないのでありますよ。(ブックオフからは西村さんの文庫本が姿を消したようで
ありますが、もともと「苦役列車」の文庫くらいしか在庫していませんでした
からね。)
これは西村さんと版元との関係も影響しているように感じることで、西村さん
といえば、この版元という印象がないですものね。同じものが文庫間で移動した
りしていますから、あれでは版元と良い関係を築くことはできませんですね。
それにしても、これを機に西村賢太さんのものを、もっと読みやすくしてく
れてもいいだろうと思いますがね。