セールの前に

 先日に外出したおりに、すこし待ちの時間があったものですから、その

時にブックオフで時間を使うことになりです。当方のブックオフでの予算

はワンコインですから、喫茶店に入ってコーヒーを飲むのとだいたい同じ

出費でありましょうか。(しかしその昔と比べると、まちの喫茶店という

のは姿を消してしまっていて、まちの本屋さんで本を買って、喫茶店

収穫を確認するという楽しみは、田舎では成立しなくなっていますね。

植草甚一さんのスタイルでありますが、その昔は、当方のまちでもできた

ことですがね。)

 ブックオフに入りましたら、一番に目に入ったのはセールの告知です。

13日からのお盆時期に20%オフセールをするとあるではないですか、そう

でありますかと、これは参戦しなくてはと思ったのですが、なかなかお盆

の時期には足を運ぶのはむずかしいぞでありまして、かえって在庫で眼に

つけているのが売れる可能性が高いのであれば、いっそのこと買ってしま

おうかと、棚を前にして迷うことであります。

 目をつけていた一冊は、比較的最近のものですが、図書館から借りて読も

うかとも思っていたもので、いつも借りられていて、なかなか順番が回って

こないような気がして、値段が折り合えば買ってもいいかと思っていました。

前回にチェックしたときには、もうすこし値段が高かったように思ったの

ですが、それは勘違いかもしれませんが、まあこの値段でありましたら、文

庫本なみですから、ワンコイン予算では足がでるのですが、えいやっと買う

こととしました。

卍どもえ (単行本)

卍どもえ (単行本)

  • 作者:辻原 登
  • 発売日: 2020/01/08
  • メディア: 単行本
 

  そういえば、この小説を読む前には谷崎の「卍」を読むのだと、以前に記し

ているのですが、それもできてなくて、買ったけどもまだまだ読むにはいたら

ないかな。

 辻原登さんの小説は、とりあえずできるだけ読んでおこうと思っていまして、

それなりにフォローしているのですが、最近の作品はノアールというか、あまり

ハッピーな小説がないようにも思います。まあ、それが辻原さんの時代認識なん

でありましょう。

 めったにないこと、それに続いて行きつけの新刊本屋で新潮文庫の一冊を買う

ことになりです。

 当方の好きな阪田寛夫さんについての本。これは阪田さんの長女さんが

書いたもので、元版は2017年ですから、当方はその時に話題としているは

ずです。

 この内藤さんは、最初に妹さんである大浦みずきさんについての本を書い

て、これはそれについでのものとなります。

阪田さんの熱心なファンであれば、あまり新しい発見はないのかもしれま

せんが、それにしてももの書きの父親を持つというのは、大変であるとい

うことがわかります。

 むしろ妹が宝塚の大スターというほうが、内藤さんにはよかったのかも

しれません。