八月のこの時期は、先の戦争についての話題が新聞などで大きく取り上げ
られることです。本日に見ていた新聞には、この話題を八月限定の話題として
はいけないとありました。
八月は広島、長崎に原子爆弾が投下され、それから一週間ほどして大日本
帝国は連合軍に降伏することになるわけです。
当時は、どこまでも戦争には勝てると思っていたわけですから、今となって
は、ほんとに理解しがたいことです。たぶん、戦争を終結させるような
タイミングは、そのずっと前からあったと思うのですが。
本日は、古山高麗雄さんの没後の著作「人生、しょせん運不運」からの引
用です。
「わが国の権力者は天ではないから、人の上に人を作り、人の下に人を作り
ました。彼らは天皇を現人神と思うように国民を教育し、指導しました。
その言説に背く者は、不敬不忠の者、非国民として罰しました。・・
アラヒトガミだの、天皇の赤子だというのをおしつけられるとうんざりし
ます。オイオイ、そんな突拍子もないものを、国論だの、日本人なら当然の
思考だのと言って押しつけるのはやめてくれ、と心の中では思うのですが、
それを言ったらひどい目に遭わされますから、ああそうですか、と聞いて
いるだけで、自分の意見は言いません。
ああそうですか、はい、はい、と口ではいい、内心では、アホンダラ、
バカも休み休み言えと思っていた人も多かったと思いますよ。しかし、
言われた通り信じて、そう思わない者は許さない、とする国民も多かったの
です。・・・
それにしても国民は、まんまと、というのか、従順に、と言えばいいのか、
ああいう人たちの思うままに使われて、無残に死に、生き残った人たちは、
そういう仲間や肉親のことを、英霊などと言っている。」
戦争でひどい思いをした古山さんならではの発言でありますが、上の人に
は従順にというのは、この時代にも下の人に求められていることのようで
あります。