本日の本

 ここしばらく読んでおりました小熊英二さんの「生きて帰ってきた男」をなんとか
読了しました。

 先月のはじめに購入したのですから、ずいぶんと時間がかかりました。その時に、
この本を購入した理由を、次のように記しておりました。
 ・ 描かれている著者の父親が北海道生まれであること
 ・ その父親が敗戦後にシベリア抑留となったこと
 ・ この父親の生年が、当方の父親のものに近いこと
 この関心にそって読んでいたわけですが、小熊家がどうして北海道に渡ったか、
また小熊謙二さん(この本で取り上げられている小熊英二さんの父)は、北海道を
離れてから北海道の家族との交流はどうなっていたのかというのが、まずは気にな
りました。ほとんど本筋とは関係のないことですが、小熊謙二さんのご兄弟は、ほと
んどが北海道を離れてしまっているのに、また北海道と縁ができます。
「秀子(謙二さんの妹)が第六都営住宅にお客を連れてきた。秀子が佐呂間にいたとき
の小学校の同級生だった熊岡寛子である。そして謙二は、彼女と結婚することとなっ
た。」とあります。
 英二さんの母親となる方ですが、この寛子さんの父親は「佐呂間の小学校長」で、
「実家は戦後に広島に転居」とのことです。
 小熊家と同じように、熊岡家も佐呂間を離れてしまっているようです。母親の実家
がどうして広島に転居したのかは書かれていないのですが、元々の出身が広島なのか、
それとも息子さんが先に広島で職を得ていて、それを追っていったのでしょうか。
 どうして北海道に渡ってきたかというと、それは零落したからと思われますが、それ
じゃどうして北海道を離れたかであります。戦前から戦後まもなくにおいて、ある程度
生活が落ち着いている家族が、どうして北海道を離れることになったでしょうね。