古本倶楽部から 2

 古本倶楽部の最新号に掲載されていたものを1日の深夜にメールで注文しましたら、
本日には商品が手元に届きました。これはずいぶんとはやいことです。ひょっとした
ら、今回の目録では注文が少なかったことにより処理がはやかったなんてことでない
とよろしいのですが。
 今回注文したのは、書名でいえば次のものであります。

暗殺百美人

暗殺百美人

 学研からでたのは、すでに購入しているのでありまして、今回の確保したのは、
ちょっと違った版であります。こういう別な版があるというのは、ほとんど頭にあり
ませんでした。(学研からでたものには、書かれていそうでありますが、いまは探し
だすことができずでした。)
 こんかいのは私家版でありますが、これについては、次のところに記載があります。( この「飯島耕一 詩と散文 全5巻」も中野書店「古本倶楽部」で格安で購入し
ました。)
「長編『暗殺百美人』94年8月発行の『三田文学』夏季号から、95年5月発行の春季号
まで、四回にわたって連載されたものである。
 当時、この実験的小説(とくに序章に人は面食らった)を出版しようという出版社
は現れず、96年2月、西脇順三郎からもらっていた氏のデッサンを表紙絵に私家版で
五百部を自宅を発行所として刊行した。これが中村真一郎の眼にとまり、この年の
Bunkamura ドゥ・マゴ文学賞のただ一人の選考委員だった氏により、同賞を受賞と
なった。中村真一郎の『読書日記』(フランス堂)を開くと、三月八日のところには、
飯島耕一の『暗殺百美人』という、日本でようやく成功した<超現実小説>の奇怪
なイメージの重層性を愉しむ』とあり、十月五日には、「『暗殺百美人』の超現実派
小説と日本語の自動筆記的連想との出会いの成功の秘密を探る』とあって、私の小説
はこのときはじめて、大きく認めてくれる一人の先輩小説家と遭遇したのであった。」
 この限定500部の私家版をはじめて手にしましたが、本の雰囲気はまるでみすず書房
のもののようです。飯島耕一さんは、これをみすずからだすことを望んだのかもしれ
ません。結局は、これをだそうといったのは、学研でありました。
「受章を機に学習研究社からも、96年10月に、菊地信義の装幀により普及版が出版さ
れ、受章の前後、またこの学習研究社版の出版に際しても、久しい友人安原顕にいろ
いろと力を尽くしてもらったことは忘れがたい。」
 それにしても、飯島耕一さんのこの私家版「暗殺百美人」献呈サイン入りのもの
が安いのに驚きであります。