土用の丑

 昨日が土用の丑の日でありましたですね。この日にうなぎを食べるというのは、
江戸時代の「平賀源内」の仕掛けによるものとありましたが、本当のところは、
どうなのでしょう。
 東京の老舗のお店でありましたら、毎日が土用の丑であるかもしれませんが、
田舎のうなぎもだしているというようなお店でありましたら、一年で一番の
かきいれどきとなるのでしょう。
 うなぎ好きの文学者というと、斎藤茂吉はそうではなかったか、飯島耕一の詩に
もとりあげられていたはずだと思い、詩集「ゴヤのファーストネーム」にあたりを
つけたのですが、これははずれでした。斎藤茂吉は、浅草とうなぎがあれば、
ポエジーが湧いてくるようなことを書いていたのは、飯島耕一ではなかったかな。
(いまは、他の詩集をあたることができずです。)
 もうひとりは、内田百鬼園先生だよな。先日、東京にいったおり、東京の知人が
麹町の秋本につれていってくれました。そのとき、たしかこの秋本という店は、
内田百鬼園先生のひいきの店であったはずなんてことを話したのですが、さきほど
これについてネット検索してみたら、ひと月ほとんど毎日「秋本」のうな重をとり
続けたとありました。当方の記憶に間違いはなかったかですが、さて、この話しは
どこにあったのでしょう。どのシリーズで探せば、これがすぐにみつけることが
できるのかと、講談社版全集の数冊を手にしましたが、これでの捜索は断念し、
旺文社文庫版で捜索を継続することにしました。二階の押し入れにある旺文社文庫
版をまとめているところをみていて、目的の百鬼園文庫ではなく、その陰におかれて
いた文庫本を見てぶっとびました。
 この文庫を、当方は買っていたのか。この文庫がでていることは承知していたの
ですが、購入していることはまったく頭からとんでいました。1979(昭和54)年の
刊行物です。家のどこかを探すと、思わぬ珍品がでてきそうであります。
 本日の珍品の書影は、以下のものです。