昨日に引用した鈴木博之さんがあげているものには、やはり東日本大震災に触発され
てのものが含まれています。といっても、そのものずばりの「フクシマ論」とか「原発
のうそ」といったものではありません。
鈴木博之さんのあげている本へのコメントです。
「 東日本大震災の後、小川未明の『赤い蠟燭と人魚』を読みたくなり、家にある未明
集など見たが収録されておらず、この文庫を買った。ある村の衰亡の歴史なのだが、わ
たしのなかでは、津波によって崩壊した村の運命とこの物語には、つながる部分がある
ように感じたのである。」
- 作者: 小川未明,東雅夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/08/06
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
高くなると同時に海の音が不気味に、すこし遠くまで聞こえるようになります。
そうした音を聞いていると、小川未明の「赤い蠟燭と人魚」という作品のことを思い
おこします。
このまちに住む相馬市出身の方と、海があれると「赤い蠟燭と人魚」という作品を
思いおこすというような話をしていましたら、その方から同感といっていただいたの
ですが、その方の実家の作業小屋は、今回の震災で流されたのことです。幸いなこと
に住まいは高台のほうにあって、人的被害は免れたとのことですが、この方々は、
これから「赤い蠟燭と人魚」を読むことなどはあるのでしょうか。