週末の本

 週末土曜日で、本日の新聞読書欄には辻原登さんの「陥穽」がとりあげられ

ていました。評者は御厨貴さんでありまして、これは気になることでありますが、

すでに購入済みではあるものの、読むのは、もうすこし先になりそうです。先日も

記しましたが、まずは読んでいるトルストイ戦争と平和」を読んでしまわなくて

はです。こちらはまだまだ先が長いのですが、目標は年内読了ということで。

 週末用に借りて手にしているのは、次の本になります。

 そういえば、高校の同級生に日下という人がいたのでありますが、あれでどう

してクサカなのかは、考えたこともなかったことです。ほんとにそうですよね。

「日下と書いて『くさか』と読むことは、すでに『古事記』(712年成立)の時代に

は始まっていた。」

 古事記の時代には、日下なる読み方は難読固有名詞の代表例になっていた

のだそうです。

 ということで、地名研究では、日下はなぜくさかというのかというのに、いくつか

の解釈が示されているのですが、著者は、そのいずれもが説得力が乏しいという

ことで、ご自身の解釈を出していくことになります。

 この解釈のために、著者は日本全国の「クサカ」という地名のところを訪ねて、

そこに地形的な共通性がないかを調査するのであります。

その調査の結果、著者は独自の解釈にたどりつくのでありますが、もちろん、これ

はあたっているとか間違っているではなく、説得力を持つかどうかでありますね。

 このような地名の解釈のことを見ていましたら、北海道のアイヌ語によっている

地名は、何に由来するのかという説明のことを思いだしました。比較的、説明が

定着しているところがある一方で、いくつかの解釈があって、まだ両論併記のよう

な地名もあります。

 この本のサブタイトルは「地名と古代語」でありますので、東北のほうには、

大和言葉以外の文化があったと思われますので、そういう意味では、北海道とも

通底するところがあるようです。

 著者には「アイヌ語地名の南限を探る」という著作がありますので、北海道の

アイヌ語地名にも造詣が深いのでありましょう。

 こちらの本も面白そうでありますので、図書館にあるかどうか検索してみる

ことにいたしましょう。