うわさは本当であったか

 先月くらいからでしょうか、ネット上でとうとう文庫になるようだよという声が

聞こえてくるようになりました。そのうわさが本当であったとしたら、最初に邦訳が

でてから50年が経過しての初文庫化であって、これはそこそこ事件でありますね。

 そう思っていましたら、本日に届きました新潮社「波」の「編輯後記」にそのこと

が話題になっていました。

「『アレが遂に文庫に!』と初めて思ったのは『砂の女』と『個人的な体験』すぐ

買って読み大興奮しました。・・・

 ケチな出版社で同叢書(純文学書き下ろし特別作品)の作品はずっと文庫化

しなかったのが、この年あたりから新潮文庫に入れ始め、・・・等々と続きます。

 そんなことを思い出したのは今年(2024年)『百年の孤独』が文庫化される

せい。装幀の違う単行本四種を揃えた身としては文庫も買わざるを得ません。」

 新潮社「波」に、このように書かれているのですから、「百年の孤独」の文庫化は

間違いありませんですね。

 装幀の違う四種を揃えたとありますが、当方はたぶん三種で、一つは買っていま

せんですね。書庫から「百年の孤独」をひっぱりだしてきて、写真をとってお祝いを

したいくらいの慶事であります。

 三種の版を持っているとはいっても、たしか読んだのは、最初にでた版だけであり

まして、改訳となった次のものは買ったけども読んでいないはずで、そのあとのも

読む機会がなしであります。

 「百年の孤独」の最初のものは、二段組で字がびっしり詰まっていたのですが、

学生であったこともあって、まったく苦にならずに、最初は少しペースがつかめずで

したが、途中からは一気読みでありました。この面白さであれば、帰省のときの長距

離列車のなかでも読むことができるはずと、旅の友にしたこともありました。

 最初の版には、そういう思い出があって、特別な一冊となっています。

 いつに文庫がでるのかわかりませんが、そんなに遠い先ではないようにも思え

ます。文庫になったら、久しぶりで読んでみることにいたしましょうぞ。