文庫なら読めるか

 今月の文庫本新刊ラインナップには、当方が以前に単行本で購入して、

いまだに読むことができていないものが、二冊含まれていました。

単行本ででたときには、これは読むぞと思って買ったのでありますが、買うのに

忙しくて、読むのはさぼりがちなものですから、こういうことになるのですね。

 文庫となったのを機に、文庫本を購入して読むことができたりもしますの

で、未読の本は文庫で出た時に、また購入というのも意味のないことではあり

ません。文庫は、時間があいたりしたときに取り出して読み継ぐことが可能で

ありますのでね。

 今月にでた文庫の一冊は、元版が2017年4月刊行ですので、3年弱での

文庫化であります。これはずいぶんと早いことです。新潮文庫でありますので、

価格も安い。作者が人気のある人ですから、こういうことが可能なのでしょう。

百年の散歩 (新潮文庫)

百年の散歩 (新潮文庫)

  • 作者:多和田 葉子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/12/25
  • メディア: 文庫
 

  なんといっても日本語で作品を発表する作家で一番ノーベル賞に近いの

ではといわれている方でありますからね。

 もう一冊は翻訳作品でありますが、元版がでていから文庫となるのに、何年

かかったのでありましょう。当方は、このような仕掛けの本が好きでありまして、

購入したのでありますが、ほとんど読むことができず、いまもすぐに取り出すこと

にできるところに鎮座であります。

 ということで、これの元版を取り出してきてぱらぱらとページをめくることにな

りです。

 最初のページには次のようにありです。

「実在しない書物の書評を書くということは、レム氏の発明ではありません。・・

しかしながら、『完全なる真空』を一風変わったものにしているのは、それがまさ

にこういった書評だけを集めたアンソロジーを目指している点です。」

 ということで、今月の河出文庫から新刊ででるのは「完全なる真空」でありま

す。

完全な真空 (河出文庫)

完全な真空 (河出文庫)

 

  当方の持っている元版は以下のものですので、なんと30年が経過しているの

か。

完全な真空 (文学の冒険シリーズ)

完全な真空 (文学の冒険シリーズ)