今月の文庫本新刊ラインナップには、当方が以前に単行本で購入して、
いまだに読むことができていないものが、二冊含まれていました。
単行本ででたときには、これは読むぞと思って買ったのでありますが、買うのに
忙しくて、読むのはさぼりがちなものですから、こういうことになるのですね。
文庫となったのを機に、文庫本を購入して読むことができたりもしますの
で、未読の本は文庫で出た時に、また購入というのも意味のないことではあり
ません。文庫は、時間があいたりしたときに取り出して読み継ぐことが可能で
ありますのでね。
今月にでた文庫の一冊は、元版が2017年4月刊行ですので、3年弱での
文庫化であります。これはずいぶんと早いことです。新潮文庫でありますので、
価格も安い。作者が人気のある人ですから、こういうことが可能なのでしょう。
なんといっても日本語で作品を発表する作家で一番ノーベル賞に近いの
ではといわれている方でありますからね。
もう一冊は翻訳作品でありますが、元版がでていから文庫となるのに、何年
かかったのでありましょう。当方は、このような仕掛けの本が好きでありまして、
購入したのでありますが、ほとんど読むことができず、いまもすぐに取り出すこと
にできるところに鎮座であります。
ということで、これの元版を取り出してきてぱらぱらとページをめくることにな
りです。
最初のページには次のようにありです。
「実在しない書物の書評を書くということは、レム氏の発明ではありません。・・
しかしながら、『完全なる真空』を一風変わったものにしているのは、それがまさ
にこういった書評だけを集めたアンソロジーを目指している点です。」
ということで、今月の河出文庫から新刊ででるのは「完全なる真空」でありま
す。
当方の持っている元版は以下のものですので、なんと30年が経過しているの
か。