頭にはいらなくともプルースト

 今回の野暮用旅行のお供は岩波文庫プルースト」でありました。今読んで

いる巻の残りが少なくなったこともあって、何もすることのない車中で読むこ

とによって、やっつけてしまおうと思ったことです。

 この文庫を列車のなかで読んでいましたら、「熊野でプルースト」という書名

が頭に浮かんできましたが、当方が読んでいたのは熊野行きの電車ではありま

せんでした。

 通過する駅の名を確認しながら、どこの駅に「プルースト」をくっつけたら、

似合うかなと思案することにです。あまり都会の雰囲気ではないところのほう

がいいなと思いながら、ここはどうかなと思ったのだけども、それは内緒で。

 これまで降り立ったことのない駅で降りたら、同行の友人が、この駅の近く

には古本屋があるよといって、案内をしてくれました。こういう下町の古本屋

さんは、当方の一番好きな場所でありまして、ややしばらく本を漁ることにな

りです。

 LCCの持ち込み荷物の厳しい重量制限と、厳しい財布の状況ですので、文庫

本を中心に何冊か確保することにです。そのなかから、帰路に読む本を決める

のですから、あまり難しくてもいけませんです。

 結局のところ、文庫本で確保したのは、次のものです。

 なぜかこれまで買っていなかった足立巻一さんの文庫本、そのうちそのうち

と思いながら今にいたってましたが、リアル店舗で見つけることができたのは、

大収穫です。ありがたい一冊となりました。

 笙野頼子さんの文庫本で、たぶん持っていないであろうと思って買ったのです

が、だぶっていてもいいかなと買うことにです。

 そしてこの店で買ったもので、帰りの車中のともになった文庫本です。

 最近に橘外男さんの文庫新刊がでて、それを買ったのですが、いまだ読むこと

はできていないのですが、本日はこの「コンスタンチノープル」という小説が

目に入りましたので、これを読んで橘外男さんの世界になじむことにします。

 この作品には全編トルコが舞台で、登場人物も日本人はでてこないようで、

思うにずいぶんとハイカラなことであることです。

 皆川博子さんなどは若い時に、このような作品を愛読をしたのでありましょう

ね。