しまいブックオフ  

 すこし時間がかかった年賀状をポストに投函し、年末年始の食材購入を

済ませて、すこし時間がありましたので、ことし最後のブックオフへと足を

運ぶことになりです。

 予算はいつものワンコインでありますので、大きな買い物にはなりませんが、

年始にかけて手軽に読めるものが入手できればいいのにと思って棚の前にたつ

ことになりました。

 ということで、本日は次の三冊を買うことになりました。

薔薇忌

薔薇忌

 

  やっとこさで皆川博子さんの小説を確保することができました。先日に図書

館でこれから読む本を探したときに、皆川さんの本がならんでいる棚の前であれ

これ手にしたのですが、これが決められずでありました。しっかりとした造本の

ものが多くて、ちょっと引きましたが、これは文庫でしかも薔薇であります。

 当方と同世代の人は薔薇とみたら、薔薇忌とあると中井英夫さんのことを思い

だすのですね。(すくなくとも当方の仲間内では)

もちろん「虚無への供物」でありまして、作中では黃薔薇とでてくるのですが、

この小説自体が薔薇忌のようなものでありますからね。

 皆川さんの本は短編をまとめたもので、読むのは大変そうではないのですが、

まだ一つも読むことができていませんが、まずは表題作から読むことに。

ムテッポー文学館 (文春文庫)
 

  長くコラムを書いている人たちが姿を消してすこし寂しがっているような

中野翠さんのちょっと古い書評コラム集。当方はこれまで「私の青空」くらい

しか買ったことがないのですが、むしろ買っておくべきはこちらでありました。

 目次を見たら「私にとっての森茉莉」というのが目に入りました。今年に

読んだ笙野頼子さんの「森娘」で言及されていたのではなかったかな。

これ以外にも巻頭におかれている「ムテッポー文学館」は、今はなき「月刊

Asahi」に連載したものを中心にまとめていますが、斎藤緑雨岡本綺堂、鏑木

清方などの作品が取り上げられていて、しかも中野さんのイラストが添えられて

います。

 ほんとどうして今まで、この本のことを知らなかったのだろう。

幻夜 (集英社文庫)

幻夜 (集英社文庫)

  • 作者:東野 圭吾
  • 発売日: 2007/03/20
  • メディア: 文庫
 

  東野圭吾さんの作品はドラマ化されていて、それはいくつか見ているのですが、

一番好きなのは「浪速少年探偵団」でありまして、「デカワンコ」で好きになった

多部未華子さんの主演作ですが、舞台は東野さんが生まれ育った土地でありまして、

同じ中学校に通った後輩だよという大阪の家族に重ね合わせて見物をいたしました。

 その東野さんに「幻夜」という作品があるというのは、大阪で教鞭をとっている

「悪女論」で有名な堀江珠喜さんが、毎日新聞読書(2017年8月13日)のコラムで

「悪女」の三冊をあげていて、そこにあったのを記憶していたからです。

検索をかけてみたら、次の三冊でありました。

<1>サロメオスカー・ワイルド著、福田恆存訳/岩波文庫/410円)
<2>痴人の愛谷崎潤一郎著/新潮文庫/724円)
<3>幻夜東野圭吾著/集英社文庫/1037円)

 上の二冊は、なんとなくわかりますが「幻夜」はどういうことなのかでありまし

て、それからずっと気になっていました。東野さんは人気作家ですので「幻夜

ブックオフではほとんど常備品ですが、本日は均一棚にあったものですから、

手が伸びることになりました。厚いので、まずは悪女ぶりを堪能できるところ

を見てみることにします。

 ということで今年の「しまいブックオフ」はなかなかの収穫でありました。