読書欄の読み比べ

 昨日は読売新聞の読書欄のことを話題にしましたが、それを見てくれた友人

から北海道新聞の読書欄も「今年の3冊」を掲載していたのだが、それは見て

いないのかとつっこみが入りました。

 そうでありました日曜日といえば、北海道新聞(こちらでは新聞といえば、

ほぼこれのことをさします。)にも読書欄の掲載があるのでした。そんなわけ

で本日は、北海道新聞(略して道新)の確保に動くことになりです。

 道新は固定された書評委員制はひかずで、その都度依頼しているようであり

ますが、「この3冊」は書評執筆依頼者16人にあげてもらったとあります。

書評委員制をとっているところは、各ジャンルに委員さんを振り分けています

ので、当方はまるで読むことのないジャンルの本が取り上げられることもあり

まして、それはそれでよしですし、経済専門の方が文学に造詣が深かったりし

て、興味を覚えることもありです

 昨日の道新では、文芸批評とか小説家などの比率が他紙よりも高いので、よ

り文芸作品が多くあがっています。当方の好みにはこのほうがあっているかな

と思うと同時に、意外な組み合わせがなくて、もの足りなく思ったりです。

ちなみに道新で桐野夏生さんの「日没」をあげている方が三人いましたので、

「日没」に親和性が高いといえるのかもしれません。

 本当に、作る側はかなり苦労して紙面を構成しているというのに、読者とい

うのは、勝手なことばかりいうのでありますね。

 当方が見た「今年の3冊」のなかで、これはと思ったのは、朝日新聞のなか

にありました、次の紹介文。

「19世紀前半、大きく変貌する蝦夷地の社会構造を解明した大冊。和人の搾取

のなかでもアイヌ文化が成熟していく過程に目を凝らす。その姿勢と資料読み

の確かさは、学問が果たすべき役割を指し示す。」

近世蝦夷地在地社会の研究

近世蝦夷地在地社会の研究

 

 日本が国外に植民地を獲得していくのは日露戦争以降の話になりますが、

それ以前に蝦夷地というのも、それに近い構造であります。そこに元から

住んでいた人々には迷惑千万なことでありますが、いつからか、ここは俺た

ちの土地だからということになって、それまで住んでいた人たちは排除され

ることになります。もちろん、排除した側にはそのような意識もなく、無邪

気なのですが、善意で無邪気な人たちは残酷な人たちでもあるのですよ。

 この本を北海道新聞で取り上げていてもいいのですが、今年は話題にして

いたでしょうかね。

 ちなみにこの本をとりあげていたのは戸邊秀明さん東京経済大学とありま

した。