新潮「波」6月号から

 「波」6月号に掲載の「村上柴田翻訳堂」の広告をみていましたら、これまで書名が
あきらかになっていなかった村上さんと柴田さんの新訳作品のタイトルが公開されて
いました。
 ちなみに村上春樹さんは、ジョン・ニコルズ「卵を産めない郭公(仮)」で、柴田
さんはナサニエル・ウェスト「いなごの日」とありました。
拙ブログで、以前に村上さんの新訳は「心は淋しい狩人」ではないかしらんと記した
のでしたが、これは大外れでありました。
 村上さんは、ジョン・ニコルズ「卵を産めない郭公(仮)」でありますか。当方に
とってはライザ・ミネリ主演映画「くちづけ」の原作本であります。この映画の原作
本(「The Sterile Cuckoo」)は、どういうわけか角川文庫から「くちづけ」という
邦題で刊行されていました。
 この時代(70年代の初めころ)の角川文庫のアメリカ文学には、今となってみると
驚くような作品がいくつもはいっていて、それについては、昨年の「本の雑誌」10月
号「角川春樹伝説」のなかに種明かしがあったのですが、当方は角川の映画公開に
あわせた便乗商法のようなやりくちに反感をもっていたこともあり、角川文庫の翻訳
には手を出すことがなしでありました。
今になってみると、あの時代の角川文庫のアメリカ文学シリーズを買っておくのだっ
たかと思うのですが、これについての情報があまりないというのが残念です。
 そう思って検索をかけてみましたら、「qfwfqの水に流して」にありましたです。
これは目にしているのですが、すっかり忘れていました。ほんの半年ほど前のことな
のにです。( http://d.hatena.ne.jp/qfwfq/20151115 )