バラカンさんの岩波新書は、縦組みページと横組みページがまじっています。
一冊の本が、あたかも雑誌における特集ページがはさみこまれているように構成
されていまして、その特集のところが、横組みであったり、縦組みでも書体が
違っていたりしています。
横組みのところは、アーティストとかアルバムの紹介にかかわるところであり
ますが、ここには日本の人はいないのでありますからして、横組みのほうが都合
がよろしいのでしょう。それにしても、時代が新しくなるにしたがって、ワールド
ミュージックが多くなって、当方のなじみのものがなくなっているのがさびしい
ことです。
バラカンさんが最初に勤務したシンコーミュージックからは、「ミュージック
ライフ」という雑誌がでていて、当方が中学生のころには洋楽ファン雑誌のように
なっていて、これを手にすることはなかったのですが、本日手にした本には、
この「ミュージック・ライフ」に寄稿することでデビューしたとありました。
それは、次のものであります。
- 作者: 相倉久人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/12/14
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
でした。この方の本を手にしたことはあるはずですが、この方の書いたレビューを
読んで、ジャズを聞いたり、レコードを購入したということはなかったように思い
ます。
それでも日本の古いジャズの話となると、こういう人に書いてもらわなくては、
記録が残っていかないのであります。
「話は遡るが、ぼくが最初に署名原稿を書いたのは1954(昭和29)年で、
『ミュージック・ライフ』誌に掲載された『クールジャズとは何か?』がそれだ。
まだ一部のファンにしか馴染みのなかったクールジャズを紹介するため、ほんの
22、3歳の若造に複数のページを託してくれたのも嬉しかったが、それがきっかけ
であちこちの雑誌から原稿の依頼が舞い込んでくるようになり、署名原稿という
ものの効果をあらためて知らされた。」
当方の世代には、ジャズの雑誌といえば「スイングジャーナル」誌でありますが、
この雑誌にも今は休刊が続いていることで、音楽についての本というのは、どこも
苦戦していることです。