最近の購入書から 6

 バラカンさんの岩波新書は、縦組みページと横組みページがまじっています。
一冊の本が、あたかも雑誌における特集ページがはさみこまれているように構成
されていまして、その特集のところが、横組みであったり、縦組みでも書体が
違っていたりしています。
 横組みのところは、アーティストとかアルバムの紹介にかかわるところであり
ますが、ここには日本の人はいないのでありますからして、横組みのほうが都合
がよろしいのでしょう。それにしても、時代が新しくなるにしたがって、ワールド
ミュージックが多くなって、当方のなじみのものがなくなっているのがさびしい
ことです。
 バラカンさんが最初に勤務したシンコーミュージックからは、「ミュージック
ライフ」という雑誌がでていて、当方が中学生のころには洋楽ファン雑誌のように
なっていて、これを手にすることはなかったのですが、本日手にした本には、
この「ミュージック・ライフ」に寄稿することでデビューしたとありました。
 それは、次のものであります。

至高の日本ジャズ全史 (集英社新書)

至高の日本ジャズ全史 (集英社新書)

 相倉久人さんというジャズ批評家の本を、これまで購入したことはありません
でした。この方の本を手にしたことはあるはずですが、この方の書いたレビューを
読んで、ジャズを聞いたり、レコードを購入したということはなかったように思い
ます。
 それでも日本の古いジャズの話となると、こういう人に書いてもらわなくては、
記録が残っていかないのであります。
「話は遡るが、ぼくが最初に署名原稿を書いたのは1954(昭和29)年で、
『ミュージック・ライフ』誌に掲載された『クールジャズとは何か?』がそれだ。
まだ一部のファンにしか馴染みのなかったクールジャズを紹介するため、ほんの
22、3歳の若造に複数のページを託してくれたのも嬉しかったが、それがきっかけ
であちこちの雑誌から原稿の依頼が舞い込んでくるようになり、署名原稿という
ものの効果をあらためて知らされた。」
 当方の世代には、ジャズの雑誌といえば「スイングジャーナル」誌でありますが、
この雑誌にも今は休刊が続いていることで、音楽についての本というのは、どこも
苦戦していることです。