「みすず読書アンケート」の質問は、「2011年中にお読みになった書物のうち、とくに
興味を感じられたものを、五点以内で挙げていただけますよう、お願いいたします。」
というもののようです。
あとがきのところには、「新刊旧刊を問わず昨年出合った印象的な本」というふうに
書かれていますので、印象に残るものをあげよということですね。このような依頼は
もちろん小生のところにはこない(あたりまえ!)のですが、これにのっかって本を
あげてみることにします。
1 小沢信男さんの新刊二冊
昨年は、小沢さんの新刊が二冊もでるという信じられない年となりました。
「本の立ち話」西田書店刊は、なかなか読むことができない小沢さんの文章をまと
めたものです。たくさんあるもののなかから、157ページ分しか収録しないのです
から、密度の濃さはいうまでもなし。それにしても単行本にもならずに初出のまま
で終わっている文章を読みたいことです。
編集グループ<SURE>からでたものは、山田稔さんがあげていました。
2 みすず大人の本棚
シリーズ化されているもので、次はどのようなものがでるのかと気になる数少な
いもの。2011年は、山田稔さん、野呂邦暢さんのものを購入しました。
3 編集グループSUREの本
鶴見俊輔、山田稔、小沢信男の新刊をだす可能性があるのは、編集工房ノアを
のぞくと<SURE>しかありませんが、実現したのは<SURE>です。本は売るため
につくるのではなく、伝えていくためにつくるのでありますね。
4 阪田寛夫全詩集 理論社
かっての理論社が最後につくった一冊。阪田寛夫さんも、編集の伊藤英治さんも
ともに今はいない。
5 佐藤忠良さんの中公文庫二冊
最近は、中公文庫に気になるものがあります。この調子はいつまで続くか。
6 番外
・ 友情 西部すすむ ちくま文庫
土地勘がある世界の話で、興味深く読みました。
・ 鉄学概論 原武史 新潮文庫
原武史さんの「鉄学」は好みであります。
・ 亡くなったひと (市川森一 辻佐和子 ほか )