ノアの本

 本日に「編集工房ノア」から本が届きました。先日に「海鳴り」同封のはがきで注文
してあったものです。「海鳴り」が届いて、まだ注文はいいだろうよと思っていたら、
三月書房のページに山田稔さんの「こないだ」が入荷したとありまして、あわててはが
きを送りましたです。
 昨日に配達となっていたのですが、ちょうど不在していましたので、本日に再配達を
してもらいました。「こないだ」の発行日は、ちょうど6月1日で、これは一日遅れて
どんぴしゃの日付となりました。

こないだ

こないだ

 クロス風で装われていて、カバーがかかっていなくて、タイトルは題簽になっていま
す。これに帯だけですから、シンプルで、おしゃれです。ノアの本らしからずです。
これで二千円というのは、安い感じを受けます。薄利小売のノアは大変です。
 山田稔さんのファンにはたまらない一冊ですが、時間をかけてゆっくり読むことにい
たしましょう。そういいながら、本日は何本かのエッセイを走り読み。
 そのなかに「<あと一円>の友情」がありです。山田さんが文学仲間である福田紀一
さんについて記したものです。このなかで当方が反応したのは、次のくだり。
小沢信男の講演会のおこなわれた十一月九日、福田は杖をつきながら約束どおり茨木
まで出て来た。
 福田紀一小沢信男は古くからの馴染みである。二十代の後半、福田がしばらく東京
にいた間に、『VIKING』東京ブランチで二人は一緒だった。何十年ぶりかの再会をよろ
こび話のつきない二人をそのままにして、このときもまた私は福田とゆっくりしゃべる
機会を失った。そして結局、いつのまにか挨拶もかわさずに別れてしまった。」
 ここに反応したのは、ちょうど当方がこの場にいたからであります。
 そういえば、福田紀一さんが亡くなったということを知ったのは「みすず」の読書
アンケートに回答した山田稔さんの文章によってでありました。それを目にして、
福田紀一さんの小説について、記したことがありましたです。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20160204 )