ごほうびで本を

 こちらの朝夕は気温が下がりまして過ごしやすくなりました。お天気よろし

ですが気温は20度くらいなので、すこしでも涼しいうちに庭仕事をすることに

です。

 このところ庭仕事を行うごとにあちこち虫にやられてしまいますので、しっかり

と支度をしてから、庭に出て、草取りから始めることにです。本日の作業のメイン

は植わっているツツジなどを除去して、別の木(バラですね)を植え込む場所を

作ることでありました。

 とりあえず、本日は小さな松とツツジを抜いてしまったのですが、小さくとも

しっかりと根付いていますので、のこぎり、スコップ、剪定ばさみを使って行うの

は相当に大変でありました。(このあと、さらに二本くらいやらなくてはです。)

 木を伐るよりも根っこを除去するのがとにかく大変です。こんな細い木であって

もそうなのですから、昔の開拓の人たちを尊敬することです。

 本日は良く仕事をしましたということで、ごほうびにブックオフで本を買うことを

許すことにです。よくやったね、ごほうびにこれでなにか買いなさいと百円だまを

もらい、駄菓子屋にむかう子どもようなものです。

 当方の場合は、いつもと同じでワンコイン予算であります。もっぱら安価な棚を

物色することになります。

 本日に購入したのは、次の2冊でありました。

 今は、岩波現代文庫に入っているのですが、それの元版となります。2014年の新

刊ですので、10年前ですね。最近はどんどん難解になってしまい、それに加えてあち

こちでぶつかっていますので、「発禁小説集」以降はなかなか手をだしにくくなって

います。笙野さんどうなっていくのだろうと、ちょっと心配に。

 もう一冊は「私の信州物語」。

 映画監督の熊井啓さんの自伝的なエッセイ集。

 熊井さんは、信州に生まれ育って学校も信州であったのだそうです。昭和5年

生まれでありますから、戦前に小学校に入り、旧制の松本高校に進学し、途中で

新制度に転じていくことになります。

 旧制松本高校といいますと、北杜夫辻邦生が有名でありまして、熊井さんの

本を買ったのも、その二人への言及があるだろうと思ったからです。

 パラパラと見たら、ありましたです。

「先輩の北杜夫氏は、敗戦直前から戦後にかけての松高生活を『ドクトルマンボウ

青春記』のなかでユーモラスに描いておられる。北氏と入れ違いに入学した私の

生活は、それに直結している。

 辻邦生氏もこの時期のことをよく書いておられるが、辻氏は北氏よりも一年先に

入学して一年遅れて卒業。つまり三年のところを五年かけているわけで、私が入学

したときには三年生であった。高校生活にみずから五年も費やすとは、今の教育

制度では考えられないことだが、当時、そういう学生はよくいて、それなりの理由が

あってのことだった。辻氏は五年間、文学と演劇に没頭していたのである。」

 これは楽しみな本であります。