このところずいぶんと大泉洋さんがTVにでてくるな(大泉さんは、年から年中
露出している印象はあるのですが、さらにです。)と思っていたら、これは彼が
主演する映画が公開されるためであるようです。
佐藤正午さんの小説を原作とする作品で、廣木隆一監督による「月の満ち欠け」
でありますね。佐藤正午作品による映画は「鳩の撃退法」以来でしょうか。
「鳩の撃退法」は、ひどく入り組んでいてある意味難解な小説でありましたので、
あれを映画にするのはとてもたいへんであっただろうと思うのですね。映画を見て
も、「鳩の撃退法」というのは、そういう小説だったのかと得心がいかないので
ありますから。
それと比べると、「月の満ち欠け」のほうが短いこともあって、構成は入り組ん
でいないかもしれません。それでも決して一読してすっと頭に入ったりするわかり
良さはないですね。
この作品をどのようにして映画に仕立てたのか、それに興味がいきますね。
それこそ、昔の宣伝文句でありましたら、「読んでから見るか、見てから読むか」
でありますが、あの小説は最初に一度読んだっきりで、岩波文庫的ということで
文庫になったときも、早々に確保したのですが、そのままほっておかれているも
のな。
最近に「書くインタビュー5」を読んだこともあって、これを機に「岩波文庫
的 月の満ち欠け」を読むことにいたしましょう。