先日にどなたかが佐藤正午さんの「書くインタビュー」の新刊がでると記して
いまして、それであわてて確認することになりです。「鳩の撃退法」が映画になっ
て上映されていることもあり、それを追い風に新刊をだして売ろうというのが、
版元の目論見であるようです。(佐藤正午さんは、売れてもうれなくてもいいと
いう感じであるのですが)
今回で「書くインタビュー」は4冊目となるのだそうです。今回の表紙は
直木賞の記が表紙となっています。
ということは、これに先立って3がでているということですよね。小学館文庫
でありますから、行きつけの本屋でチェックしていても、目に入らなかった可能
性があります。いったいいつにでていたのだろう。
すでに四年前くらいにでているいたようで、あわてて確保につとめることです。
佐藤さんの作品は、小説よりもエッセイのほうを楽しみにしていたことがあり
まして、佐藤さんが敬愛する野呂邦暢さんの「小さな町にて」のような感じで、
ちょっとギャンブルにはまってしまう佐世保の日々のところを読むのが楽しです。
佐藤さんが好むギャンブルは競輪でありまして、最近は競輪に負けて借金で首が
まわらないということはないでしょうが、当方が最初に読んだエッセイでは、国民
健康保険税の支払いができずで、市から督促にあったことが書かれていました。
「書くインタビュー4」をパラパラとのぞいているのですが、初めのところから、
次のような書き方で、これは期待できることです。
「ちょうど一年前の送ったメールをいま読み返して、そうか、去年の正月は競輪の
ネット投票にのめりこんでたんだな、連戦連敗だったな、とおぼろげに思い出した
ところです。今年は競輪に手を出していません。毎年おなじバカはやりません。
今年の正月はyou-tubeのモンスト攻略動画にのめりこみました。」
「書くインタビュー」はインタビュワーの東根ユミさんからのメールでの質問に
佐藤正午さんがメールで返すという形式でありまして、上に引用したのは2017年
1月のものでありました。
ちょうどこの年に「月の満ち欠け」が書き下ろしで出版されて、その作品で
直木賞を受けることになったのですが、この「書くインタビュー」は「きらら」
という雑誌に連載され、いきなり小学館文庫にはいるというのですから、ほんと
人目につかなくても不思議ではありません。